「翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~」(2023)は4年前にヒットした「翔んで埼玉」の続編。埼玉県は、海もなく、何もないと揶揄され”ダサいたま”が代名詞のように言われている。
しかし、関西地区にも”ゲジゲジ“と言われ、大阪などから虐げられている滋賀県があり、大阪による日本の「大阪化」に待ったをかけようと埼玉解放戦線と滋賀解放戦線がタッグを組んで奮闘するというストーリー。
前作に続き「テルマエ・ロマエ」シリーズなどの武内英樹が監督。麻実麗役のGACKT、壇ノ浦百美役の二階堂ふみをはじめ、加藤諒、益若つばさ、小沢真珠、中原翔子らが前作より続投。
新たに、滋賀解放戦線のリーダー“滋賀のオスカル”こと滋賀の貴公子・桔梗魁(ききょう・かい)役として杏、冷酷無慈悲で“関西のラスボス”こと大阪府知事・嘉祥寺晃(かしょうじ・あきら)役でとして片岡愛之助が参戦。
滋賀解放戦線員の堀田真由、くっきー!(野性爆弾)、高橋メアリージュン。そして現代パートを彩る和久井映見、アキラ 100%、朝日奈央、さらには西のクセツヨ軍団として天童よしみ、山村紅葉、モモコ(ハイヒール)、川﨑麻世、藤原紀香など超豪華キャスト陣が出演。
杏が、すらりと背が高く威勢のいい役で、闘うジャンヌ・ダルクといった印象でカッコいい。片岡愛之助は、強烈キャラで「半沢直樹」のオネエ言葉のねちねちの役にも劣らない悪党を演じている。
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かつて東京都民から迫害されていた埼玉県民は自由を求めて立ち上がり、麻実麗(GACKT)や壇ノ浦百美(二階堂ふみ)をはじめとする埼玉解放戦線の奮闘によって通行手形制度が廃止される。
こうして埼玉は平和な日常を手に入れたはずだったが、さらなる自由と平和を求め、そして再び埼玉の心を一つにするため、埼玉解放戦線は次なる野望を実現させようとしていた。やがて関西にも及んだこの事態は日本を東西に分かち、全国を巻き込む大騒動へと発展するのだった。
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壮大な茶番劇というキャッチコピーもあり、バカバカしさは天下一品で、行田(ぎょうだ)の田んぼアート、武蔵野線、大宮と浦和の因縁の関係など埼玉県民にはなじみがあり、小ネタとして面白い。
前作では「埼玉vs千葉」の戦いがあったが、埼玉県内に鉄道で、タテには数本の路線があるが、横櫛のように横断する鉄道として武蔵野線ができたが、武蔵野線の最終地点が千葉県の「ネズミランド」だったというのも面白い。
大阪人にとってのタコ焼きの存在の大きさにも改めて圧倒される。
”超地域格差”ネタ、大宮と浦和などが合併して誕生したさいたま市だが、”大宮vs浦和の対決”ネタ(劇中では綱引きがある)、埼玉県知事は選挙もありどちらかに肩入れすることもできないもどかしさも笑わせた。
”有名人の出身地”ネタ争いも大いに笑わせた。神戸出身の戸田恵梨香と北川景子の大きな垂れ幕が出た時には、「こりゃあ負けるわ」というため息も笑わせる。関西出身で知られる藤原紀香の出身地偽装疑惑?があったのがおかしい。
映画を見て感動は起こらないが、気分転換にはいい。
映画は、まさに「観る薬」だ。
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シネコンのMOVIXさいたまで、初日の初回7:50の回で見たが、超満員だった。ネットで調べたら、前列から4列目の一番端くらいしか空いていなかった。12スクリーンがあるが、6-7スクリーンで同時に「翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~」を上映していた。
劇場では、スクリーンでGACKTと二階堂ふみが、埼玉県民向けに「埼玉県の皆さん、劇場でぜひ見てください」と宣伝していた。
初日来場者には「限定ノベルティ・ネタバレ注意」というものが配布されていた。ネタバレには関係のないステッカーだった。
埼玉県人でなくても楽しめる映画で、とくに関西人、滋賀県民にはお勧めの映画と言えそうだ。
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