「ブギーナイツ」(原題:Boogie Nights、1997)を見る。”今ごろ見たのか”シリーズ(笑)。ポール・トーマス・アンダーソン(PTA)監督・脚本の短編映画「The Dirk Diggler Story」(1988)を長編に作り直した作品。
主人公は実在したポルノ男優のジョン・ホームズがモデル。1970年代末から1980年代にかけてのポルノ業界の光と影にスポットライトを当てた作品。
フランソワ・トリュフォーの「アメリカの夜」を思わせる内容だとして“ポルノ業界版「アメリカの夜」”と称されたようだ。
エロ・グロ、下品さ満載だが、俳優と主張しても、ポルノ俳優というだけで、銀行からは借り入れもできない現実や、70年代のローラーガールや、「サタデーナイト・フィーバー」を彷彿とさせる音楽とディスコダンスなどが見どころでもある。
ローラースケートを履いた女性(=ローラーガール)の足元
ストーリーがあるものの、ちょっと間違えると、ハードコア成人映画「ディープスロート」(1972)になるところだった?(笑)。
出演俳優では「脱出」(1972)などで肉体派俳優といわれたタフガイ俳優バート・レイノルズがポルノ映画監督を演じている。
映画監督ジャック役のバート・レイノルズ(右)
若き日のマーク・ウォールバーグがポルノ映画スターに成り上がり転落するさまを描いている。共演のウィリアム・H・メイシー、ジョン・C・ライリー、フィリップ・シーモア・ホフマンといった脇役として味のある俳優が、味付けをしている。
・・・
ナイトクラブでアルバイトをしていたエディ(マーク・ウォールバーグ)は、ある日、ポルノ映画の監督であるジャック(バート・レイノルズ)にその巨根を見込まれスカウトされる。
ポルノ業界に飛び込んだエディは、自身で役者の名前としてひらめいたという「ダーク・ディグラー」という名前を与えられ、出演作品はヒット、ポルノ映画の賞も受賞するなどしてスターダムにのし上がっていく。
名声を手にし、贅沢な生活を楽しむエディだが、次第にコカインやメタンフェタミンといった麻薬に手を出すようになる。やがて時代の波で彼らにも暗雲が垂れ込め、監督との確執や転落という憂き目にも遭う。
・・・
ウィリアム・H・メイシー演じるリトル・ビルの妻(ニナ・ハートレー)は、夫の留守中に様々な男とベッドで絡み合っていて、夫が帰ってきて部屋を開けて見られても行為を続けるというありさま。
真昼間の暑い日差しの中でことに及んでいる光景を7-8人が覗き込んでいるという異様なシーンを目撃するビルだったが、ついには、ある時、堪忍袋の緒が切れて、銃を持ち、妻とその相手に発砲。その後、自身の口に銃をぶっぱなすという壮絶な最期を遂げる。
エディ(マーク・ウォールバーグ)の部屋の壁にあるポスターには、ブルース・リーの写真や、アル・パチーノ主演の映画「セルピコ」(1973)のポスターなどがあった。
映画「キャッチ=22」(1971)ではじめて「Catch=22」という意味(八方ふさがり)という言葉を知ったが、「ブギーナイツ」の会話の中で、Catch=22という言葉が使われていて、普通に使われているんだと思った。不条理と訳されていた。
1970年代~80年代の雰囲気が出ている映画ではある。
主な出演者:
エディ・アダムス/ダーク・ディグラー:マーク・ウォールバーグ
ジャック・ホーナー:バート・レイノルズ
アンバー・ウェイブス:ジュリアン・ムーア
リトル・ビル:ウィリアム・H・メイシー
ローラーガール:ヘザー・グラハム
リード・ロスチャイルド:ジョン・C・ライリー
バック・スウォープ:ドン・チードル
スコティJr.:フィリップ・シーモア・ホフマン
モーリス・T・ロドリゲス:ルイス・ガスマン
トッド・パーカー:トーマス・ジェーン
ジェシー・ヴィンセント:メローラ・ウォルターズ
フロイド:フィリップ・ベイカー・ホール
ジェームズ大佐:ロバート・リッジリー
カート・ロングジョン - リッキー・ジェイ
ベッキー・バーネット:ニコール・アリ・パーカー
リトル・ビルの妻:ニナ・ハートレー
ジェローム:マイケル・ジェイス
バート:ロバート・ダウニー・シニア
ラハッド:アルフレッド・モリーナ
シェリル・リン:ローレル・ホロマン
ロッキー:ジャック・ウォレス
エディの母:ジョアンナ・グリーソン
エディの父:ローレンス・ハッド
ジョニー・ドウ:ジョナサン・クイント
先生:パトリシア・フォート
大学生:ケイ・レノックス
ジョニー:ジェイソン・アンドリュース
※さらに詳しく知りたい人は、べべちゃんのブログ記事をご覧ください。
※「U-NEXT」で鑑賞。