「ハケンアニメ!」(2022)はSNSなどを通じて絶賛の声があったので見た。「ハケン」は派遣でなく覇権。日本アカデミー賞「優秀作品賞」の5本のうちの1本。ほかは「ある男」「シン・ウルトラマン」「月の満ち欠け」「流浪の月」。
演技部門では吉岡里帆が主演女優賞、尾野真千子が助演女優賞、柄本佑が助演男優賞に選ばれていている。
アニメ業界を舞台に、製作陣の奮闘する姿を描いた直木賞作家・辻村深月の小説の実写映画化。
期待の新人監督と崖っぷち状態の天才監督が、アニメ界の頂点を目指して火花を散らす。新人監督を「見えない目撃者」などの吉岡里帆、彼女と覇権を懸けて争う相手を「人数の町」などの中村倫也が演じる。
共演は他に、柄本佑、尾野真千子、古舘寛治、六角精児、徳井優、工藤阿須加、小野花梨、高野麻里佳、前野朋哉など。
監督は「水曜日が消えた」などの吉野耕平、脚本は「サクらんぼの恋」などの政池洋佑。
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最も成功した作品の称号を得るため熱い闘いが繰り広げられている日本のアニメ業界。公務員からこの業界に転身した斎藤瞳(吉岡里帆)は、初監督作「サウンドバック」で憧れの監督・王子千晴(中村倫也)の「リデルライト」と火花を散らすことになる。
一方、かつて天才として名声を得るもその後ヒット作を出せず、後がない千晴はプロデューサーの有科香屋子(尾野真千子)と組み、8年ぶりの監督復帰に燃えていた。
瞳はクセが強いプロデューサーの行城理(柄本佑)や仲間たちと共に、アニメの頂点「ハケン(覇権)アニメ」を目指して奮闘する。
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吉岡里帆は、CMの「URであーる」くらいしか知らなかったが「見えない目撃者」ではイメージを一新させるほどの演技を見せて印象深かった。メガネをかけただけで大きく印象が変わるが、似合っていて強い意志を示し、今回の日本アカデミー賞の”最優秀”主演女優賞も可能性が大いにありそうだ。
劇中劇として登場するアニメ2作品だけでもそれぞれ映画にできそうな作品で、この映画の製作陣の意気込みが感じられる。アニメの絵コンテから、声優のアテレコ風景までの裏側を見られるのでアニメに関心がなくても面白い。
アニメの声優に指示を出す新人監督
ツイッターなどのSNSを通しての視聴者の反応の推移も面白い。大きく引き離されていたアニメが、テレビ番組の回を追うごとの視聴率の争いで、最後のどんでん返しがあり痛快でもある。夕方5時の放送というアニメで、最終話でアニメ主人公を死なせていいものかどうかという白熱した議論も見どころ。
劇場でアニメを数年に一度くらいしか見ない客層(fpdのこと?)でも、アニメ制作の裏側をみられて興味深かった。
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