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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「見えない目撃者」(2019)を見る。韓国版のリメイク。良質のサスペンス・スリラー。

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見えない目撃者」(2019)を見る。監督は「重力ピエロ」「リトル・フォレスト」の森淳一。2011年の韓国映画「ブラインド」(日本公開2014年)のリメイク。さらに2015年には中国でもリメイクされている。

「猟奇殺人」「女子高生誘拐」など強い戦慄を覚えるストーリーで、日本版では、終盤まで犯人がわからないという良質サスペンス・スリラーとなっている。

主演が吉岡里帆で、視力を失くした元警官という難役を演じて第43回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。

吉岡里帆は、テレビCMの「URであーる」のやわらかいイメージが強いが、笑顔を封印し、目力だけでまったく別人のような迫力ある演技を見せる。

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目が見えないというハンデを持つが故の、聴覚のほか触覚や嗅覚も駆使した五感に訴える本格スリラーで、最初から最後まで引き込まれた。

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警察学校卒業式の夜、自らの過失で弟を事故死させてしまった浜中なつめ(吉岡里帆)は、そのときの事故が原因で失明し、警察官を諦めた。そしてなつめは、弟の死を乗り越えることができずに3年経った今も失意の中にいた。

そんなある日、なつめは車の接触事故に遭遇する。

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その事故現場で車中から聞こえた、助けを求める少女の声から誘拐事件の可能性があると訴えるなつめ。

視覚以外の感覚から感じ取った“目撃”情報を警察に提示するが、警察は目の見えないなつめを“目撃者”足り得ないと考え、捜査を打ち切ってしまう。

それでも、少女を救いたいと考えるなつめは、事故現場で車に接触したスケボー少年で高校生の国崎春馬(高杉真宙)を探し出し、協力を要請する。

当初は彼女の証言を信じなかった刑事の木村(田口トモロヲ)と吉野(大倉孝二)も捜査に協力する中、特定の部位が切り取られた少女たちの遺体が発見され、女子高生連続殺人事件の存在が明らかになる。そんな中、なつめたちの背後にも血に濡れた犯人が近づこうとしていた…。

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吉岡里帆の熱演が光っている。実はあまり期待しないで見たが、クオリティが高い本格的なスリラーだった。主人公が元々警察学校出身の元警察官で、弟を車で事故死させてしまったことから、警察を辞めてからも、人助けをしたいというのが根底にある。

車の中から、若い女性が「助けて」という声を聞き、真剣になって救おうとするが、ナイフを持った男が立ちはだかる恐怖などが次々に襲いかかる。

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地下鉄のホームを逃げるシーンなど、盲導犬や、スマホの動画の交信が目となり手となるアイデアもいい。ただ、犯人の少女誘拐の動機や、誘拐後のシーンなどで、かなりどぎついシーンもあるので、見るのに要注意。

暗くなるまで待って」で盲目のオードリー・ヘプバーンが悪漢と格闘するシーンも怖かったが、さらに上回る怖さがある。

見終わった後の満足感がある作品だった。