有力候補とされる3作品
第95回「アカデミー賞」のノミネーションが1月24日(日本時間25日)発表された。最多ノミネーション作品は「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」の10部門11ノミネート。
作品賞、主演女優賞(ミシェル・ヨー)、助演女優賞(ジェイミー・リー・カーティス、ステファニー・スー)、助演男優賞(キー・ホイ・クァン)、監督賞・脚本賞(ザ・ダニエルズ)などの主要賞と、Mitskiとデイヴィッド・バーンによる「This is A Life」も歌曲賞候補になった。
続いて「イニシェリン島の精霊」「西部戦線異状なし」が9ノミネートで並び「フェイブルマンズ」(3月3日公開)の8ノミネートが続く。
演技部門は「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」と「イニシェリン島の精霊」が1作品から4名ずつ候補にあがっている。
一方、ドイツ作品の「西部戦線異状なし」は俳優賞、監督賞などは含まず技術部門と作品賞で9部門ノミネートという快挙。「エルヴィス」はオースティン・バトラーの主演男優賞以外は技術部門と作品賞で8部門。
「トップガン マーヴェリック」も技術部門と作品賞、脚色賞、歌曲賞で7部門となった。
演技部門では、20名のうち16名が初ノミネートとなった。
主演男優賞は全員が初ノミネートで、過去にノミネーション経験があるのは主演女優賞のケイト・ブランシェット(8度目、助演と主演で2度受賞)、ミシェル・ウィリアムズ(5度目)、助演女優賞のアンジェラ・バセット(2度目)、助演男優賞のジャッド・ハーシュ(2度目)のみ。
主演女優賞にノミネートされている「To Leslie(原題)」のアンドレア・ライズボローは、前哨戦ではまったく名前が出てきていなかったサプライズ。
「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」のミシェル・ヨー(主演女優賞)は東アジア系女優として初めてのノミネート。
キー・ホイ・クァン(助演男優賞)、ステファニー・スー、「ザ・ホエール」(4月公開)のホン・チャウといったアジア系俳優の躍進が見られた。
一方、前哨戦や批評家賞で評価の高かったダニエル・デッドワイラー(「Till(原題)」)、ヴィオラ・デイヴィス(「Woman King(原題)」)が候補入りを逃すという番狂わせもあった。
助演女優賞のアンジェラ・バセット(「ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー」)は、マーベル作品として初めて演技賞候補になった。
初ノミネートの俳優が多いということは、それだけ多様性のある作品が評価された表れとみられている。
23部門の候補作は、92カ国約9579名のAMPAS(映画芸術科学アカデミー)会員が、それぞれの支部に分かれて投票し決定したもの。授賞式は3月12日にロサンゼルスのドルビーシアターで行われる。
【第95回アカデミー賞のノミネーション一覧】
■作品賞
『西部戦線異状なし』
『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』
『イニシェリン島の精霊』
『エルヴィス』
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
『フェイブルマンズ』
『TAR/ター』
『トップガン マーヴェリック』
『逆転のトライアングル』
『ウーマン・トーキング 私たちの選択』
「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」
「フェイブルマンズ」
「イニシェリン島の精霊」
■監督賞
マーティン・マクドナー『イニシェリン島の精霊』
ダニエル・クワン、ダニエル・シャイナート『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
スティーヴン・スピルバーグ『フェイブルマンズ』
トッド・フィールド『TAR/ター』
リューベン・オストルンド『逆転のトライアングル』
■主演男優賞
オースティン・バトラー『エルヴィス』
コリン・ファレル『イニシェリン島の精霊』
ブレンダン・フレイザー『ザ・ホエール』
ポール・メスカル『Aftersun』(原題)
ビル・ナイ『生きる LIVING』
■主演女優賞
ケイト・ブランシェット『TAR/ター』
アナ・デ・アルマス『ブロンド』
アンドレア・ライズボロー『To Leslie』(原題)
ミシェル・ウィリアムズ『フェイブルマンズ』
ミシェル・ヨー『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
■助演男優賞
ブレンダン・グリーソン『イニシェリン島の精霊』
ブライアン・タイリー・ヘンリー『その道の向こうに』
ジャド・ハーシュ『フェイブルマンズ』
バリー・コーガン『イニシェリン島の精霊』
キー・ホイ・クァン『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
■助演女優賞
アンジェラ・バセット『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』
ホン・チャウ『ザ・ホエール』
ケリー・コンドン『イニシェリン島の精霊』
ジェイミリー・リー・カーティス『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
ステファニー・スー『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
■脚色賞
エドワード・ベルガー、レスリー・パターソン、イアン・ストーケル『西部戦線異状なし』
ライアン・ジョンソン『ナイブズ・アウト:グラスオニオン』
カズオ・イシグロ『生きる LIVING』
アーレン・クルーガー、エリック・ウォーレン・シンガー、クリストファー・マッカリー/原案:ピーター・クレイグ、ジャスティン・マークス『トップガン マーヴェリック』
サラ・ポーリー『ウーマン・トーキング 私たちの選択』
■脚本賞
マーティン・マクドナー『イニシェリン島の精霊』
ダニエル・クワン、ダニエル・シャイナート『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
スティーヴン・スピルバーグ、トニー・クシュナー『フェイブルマンズ』
トッド・フィールド『TAR/ター』
リューベン・オストルンド『逆転のトライアングル』
■撮影賞
『西部戦線異状なし』
『バルド、偽りの記録と一握りの真実』
『エルヴィス』
『エンパイア・オブ・ライト』
『TAR/ター』
■長編ドキュメンタリー賞
『All That Breathes』(原題)
『All the Beauty and the Bloodshed』
『ファイアー・オブ・ラブ 火山に人生を捧げた夫婦』
『A House Made of Splinters』(原題)
『ナワリヌイ』
■短編ドキュメンタリー賞
『The Elephant Whisperers』(原題)
『Haulout』(原題)
『How Do You Measure a Year? 』(原題)
『The Martha Mitchell Effect』(原題)
『Stranger at the Gate』(原題)
■編集賞
『西部戦線異状なし』
『エルヴィス』
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
『TAR/ター』
『トップガン マーヴェリック』
■国際長編映画賞(旧外国語映画賞)
『西部戦線異状なし』(ドイツ)
『アルゼンチン1985 歴史を変えた裁判』(アルゼンチン)
『クロース』(ベルギー)
『EO イーオー』(ポーランド)
『クワイエット・ガール』(アイルランド)
■歌曲賞
「Applause」『Tell It Like a Woman』(原題)
「Hold My Hand」『トップガン マーヴェリック』
「Lift Me Up」『ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー』
「Naatu Naatu」『RRR』
「This Is A Life」『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
■美術賞
『西部戦線異状なし』
『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』
『バビロン』
『エルヴィス』
『フェイブルマンズ』
■視聴効果賞
『西部戦線異状なし』
『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』
『THE BATMAN-ザ・バットマン-』
『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』
『トップガン マーヴェリック』
■長編アニメーション賞
『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』
『Marcel the Shell With Shoes On』(原題)
『長ぐつをはいたネコと9つの命』
『ジェイコブと海の怪物』
『私ときどきレッサーパンダ』
■短編アニメーション賞
『The Boy, the Mole, the Fox and the Horse』(原題)
『The Flying Sailor』(原題)
『Ice Merchants』(原題)
『My Year of Dicks』(原題)
『An Ostrich Told Me the World Is Fake and I Think I Believe It』(原題)
■衣装デザイン賞
『バビロン』
『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』
『エルヴィス』
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
『ミセス・ハリス、パリへ行く』
■短編実写映画賞
『An Irish Goodbye』(原題)
『Ivalu』(原題)
『Le Pupille』(原題)
『Night Ride』(原題)
『The Red Suitcase』(原題)
■メイクアップ&ヘアスタイリング賞
『西部戦線異状なし』
『THE BATMAN-ザ・バットマン-』
『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』
『エルヴィス』
『ザ・ホエール』
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