歌手で俳優のジェリー藤尾(本名・藤尾薫紀=しげき)が14日、急性肺炎のため亡くなった。81歳だった。日本歌手協会が14日、マスコミ各社にファクスを送り、発表した。
中国・上海で元NHKアナウンサーの父・藤尾薫宏さんとイギリス国籍の母の間に生まれた。
終戦後の1946年に帰国し、バンドボーイとして米軍キャンプを回り始めた。新宿のジャズ喫茶に飛び入りで歌っていたところをスカウトされ、水原弘(享年42)に見込まれて日劇ウエスタンカーニバルに出演。
1961年に「悲しきインディアン」で歌手デビューし、同年のNHK紅白歌合戦に初出場した。
1962年、NHK人気バラエティー番組「夢であいましょう」の「今月のうた」に採用された「遠くへ行きたい」(作詞・永六輔、作曲・中村八大)が大ヒットした。
「遠くへ行きたい」は、名曲の一つで、癒しのメロディ―が印象的。
俳優としても1959年の映画「檻の中の野郎たち」や黒澤明監督の「用心棒」などに出演。「用心棒」では三船敏郎に絡むチンピラ侍を演じた。
上は「用心棒」、下は坂本九(左)と共演の映画。
2019年から2020年に放送されたテレビ朝日系「やすらぎの刻~道」で15年ぶりにテレビドラマに出演。近年はリサイタルなどを開催していた。今年元日に放送された「日本歌手協会歌謡祭」が最後の出演となった。
ご冥福をお祈りいたします。