「目撃」（原題：Absolute Power, 1997)を見る。クリント・イーストウッドの17作目の監督・主演の国家を相手取ったサスペンス・アクション。テレビ放映で吹き替えだったのが残念。イーストウッドの吹き替えは山田康雄でなく野沢那智（アラン・ドロンで有名）。
「ダーティ・ハリー」と「フレンチ・コネクション」でそれぞれはみ出し刑事を演じたハリー・キャラハン（クリント・イーストウッド）とポパイ刑事（ジーン・ハックマン）が「許されざる者」（1992）に続いて再共演。今回の役どころは、イーストウッドが老練の泥棒を演じ、ハックマンはサディスティックな悪党大統領を演じている。
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バージニアの高級住宅地にある、大統領の後援者で政界の大物ウォルター・サリヴァン（E・G・マーシャル）の邸宅。サリヴァンは、リッチモンド（ジーン・ハックマン）を大統領にしたという自負がある。
そんなサリヴァン邸にセキュリティをかいくぐって侵入したのがプロの大泥棒ルーサー・ホイットニー（クリント・イーストウッド）。目的はサリヴァンの妻クリスティの寝室にある金庫。
ところが旅行中のはずのサリヴァンの妻クリスティ（メロラ・ハーディン）が、なんと大統領アラン・リッチモンド（ジーン・ハックマン）を連れて帰宅したのだ。
リッチモンドのサディスティックな態度に、二人は口論となり、クリスティが大統領にナイフで怪我を負わせ、シークレット・サービスがクリスティを射殺。これを部屋の陰からルーサーは一部始終を目撃してしまう。
駆けつけた大統領首席補佐官グロリア・ラッセル（ジュディ・デイヴィス）は、シークレット・サービスに事件のもみ消しを図るため証拠隠滅を命じる。ルーサーは、彼らが現場に忘れたナイフを持って現場を去る。
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俳優が豪華。アラン・リッチモンド大統領役にジーン・ハックマン、大統領補佐官グロリア役に「セレブリティ」のジュディ・デイビス、政界の大物に「十二人の怒れる男」のE.G.マーシャル、シークレット・サービスにスコット・グレン、フランク刑事役にエド・ハリスといった錚々たる顔ぶれ。
さらに「２４」で貫録たっぷりのパーマー大統領役を演じていたデニス・ヘイスバートと、パーマー大統領夫人シェリーを演じていたペニー・ジョンソン・ジェラルドも出演している。
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クリント・イーストウッドが67歳の時の作品。年齢にあった老練の紳士然とした泥棒のプロを演じている。しかも、絵を描くのが得意であるほか変装の名人で、さまざまな格好で登場するのも見どころ。エド・ハリスも渋さを見せている。ジーン・ハックマンは今回は悪徳政治家（大統領）だが「追いつめられて」などのような悪役が多い。
