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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

★日本のドラマ作りに一石:ドラマ「共演NG」(2020)。

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昨年10月に放送されたテレビ東京の月曜10時のドラマ「共演NG」(全6話)を2日間で一気見した。中井貴一鈴木京香演じる元恋人同士の俳優が共演NGだったにも関わらず久々に共演することになった姿を描く大人のラブコメ

秋元康が「あなたの番です」に続き、企画原作を手掛け「あなたの番です」に劣らず面白かった。

通常の連ドラは10話前後が普通だが「共演NG」は全6話で終了。視聴率が低迷だったからか、コロナ禍でのリスクをさせるためか議論となったようだ。

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元恋人同士の実力派大物俳優・遠山英二(中井貴一)と人気女優・大園瞳(鈴木京香)が25年ぶりに共演する、テレビ東洋のドラマ『殺したいほど愛してる』のタイトルの言葉が、劇中で何度か効果的に使われている。

遠山英二、大園瞳W主演の連続ドラマ『殺したいほど愛してる』は、紆余曲折を経て無事クランクアップ。新たな不倫の証拠写真を受け取ってしまった是枝育夫(迫田孝也)、戸沢寛治(岩谷健司)は、内心ドキドキしていたが、特に報道されることもなく、ショーランナーの市原龍(斎藤工)がもみ消してくれたんだろうと考えていた。

そんな中、テレビ東洋にスポーツ関東の中川(橋本じゅん)が現れ、「市原に独占インタビューをしたい」と意外な依頼をするのだった。
市原へのインタビューは、最終回の放送当日に行なわれることに。なぜ2人をキャスティングしたのか・・・?なぜ他のキャスティングまで共演NGだらけだったのか...?異例となった制作発表会見の意図は・・・?絶妙なタイミングで不倫スキャンダルが発覚した理由は・・・?そして、最終回のラストシーンに込めた想いとは・・・?インタビューを通して、今まで伏せられてきた市原の企みの「謎」と、その「真意」がすべて明らかになっていった。

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「共演NG」という、映画、ドラマなどの芸能界のタブーに切り込んだところがおもしろい。スポンサーへの配慮や、後援企業や所属俳優のプロダクションの力関係や、なにかとしがらみがあって制約された中での日本のドラマ作りに一石を投じた。

なかなか赤坂(TBS)やお台場(フジ)などの大手ではできない試みを、比較的独自性のある東京ではマイナーと自虐的なポジションのテレビ東京が「テレビ東洋」という名を借りて、米国式のショーランナー(製作総指揮)という集中的な権限を持つ人物にドラマを仕切られる方式でドラマを製作するという舞台裏を描いている。

ショーランナーを演じるのが斎藤工で、ドラマの最後に、代表記者からの単独インタビューに応える形で、日本のドラマの問題点を語っている。

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明らかにこのままでは日本のドラマは、優秀な人材をフルに活用できず、衰退するとして、Netflixのようなスタイルで、製作の権限(契約でのセリフ変更なしなどの縛りはある)を集中させるべきだという。あっちも立て、こっちも立てという「忖度」を無くすべきだというのだ。視聴者が求めるものを作るという点では、筋が通っていた。テレビ東京の夜10時台の枠では最高視聴率となったようだ。

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50代の主人公の空港での別れのラストシーンは「東京ラブストーリー」のような音楽がバックに流れ、ベタⅩ100くらいのお決まりのシーンだったが、二人は「殺したいほど愛してる」といい合う一方で、今後は「共演はしない」と宣言する。なぜなら、これ以上共演すると、本当に好きになってしまうからだというオチ(笑)。そして、最後の言葉が「ウンコ野郎」「クソ女」だった。 

主演の二人のそれぞれのディレクターの男女がまさかの長年ツーカーの間柄で、共演NGの二人の再共演を仕組み、自分たちは「ぼくたち結婚しま~す」と宣言する展開に、共演NGの二人の反応は…!(笑)。

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