「さらばベルリンの灯」（原題：The Quiller Memorandum、1966）を再見。監督は「生きていた男」のマイケル・アンダーソン。音楽は、ジョン・バリー。劇中、流れる主題曲を歌うのはマット・モンロー。主演はジョージ・シーガルだが、マックス・フォン・シド―やアレック・ギネスが共演。美人女優のセンタ・バーガーが謎の教師を演じる。
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東西の冷戦下、西独のベルリンでナチス再建の動きがあり、イギリス情報部は殺された前任者の後任諜報員にクイラー(ジョージ・シーガル)を送り込む。
情報部の上司(アレック・ギネス)から指示を受け、ナチス信奉者の手がかりを探るうちに謎の美人教師(センタ・バーガー)と恋に落ちるが、それは罠だった。敵側に捕まり、ネオナチの首領オクトーバー(マックス・フォン・シドー)から逆にイギリス情報部の本部の居場所を教えるよう責め立てられる…。
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マックス・フォン・シドーは、昨年（2020年）3月8日に90歳で亡くなったが、、この映画の当時は37歳と若いが、貫録たっぷり。髪は金髪で、ネオナチのリーダーを演じて、イギリス諜報員を尋問するシーンなど圧巻。
イギリス諜報員を尋問する前に指をボキボキと鳴らす。
眠り薬で朦朧とさせ、誘導尋問で相手から情報を聞きだそうと、あの手この手で、迫る。「上司は、なんといったっけ、あの・・・」と相手が口を滑らすのを待つのだ。アジトについては「ク―ダムの次の駅か」などとカマをかけたりする。シド―の切れ味抜群のルックスが画面を引き締め、センタ・バーガーの美しさが際立つ。
（注）「ク―ダム」は、ベルリンにあるメインストリートの名称で、全長3.5キロあり、正式にはクアフュルステンダムといい、パリのシャンゼリゼ通りと比較される。
「００７」のような派手なアクションは一切ないが、東西冷戦時代の時代を静かに、リアルに描いている。
マット・モンローの曲が、哀愁を帯びて、なかなかいい。
