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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「柔らかい肌」(1964)を見る(再見)。

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柔らかい肌」(1964)を見る(かつてテレビの洋画劇場で見ている「はず」)。

フランソワ・トリュフォー監督作品。公開当時はフランスでは酷評の嵐だったようだが、カメラなど随所にヒッチコック・タッチでスピーディーでスリリングな映像が見られ、隠れた名作ともいわれる。

主演は「夜の騎士道」などのジャン・ドサイ。この映画の3年後に25歳で亡くなったフランソワ―ズ・ドルレアックも出演。 

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44歳の著名な文芸評論家ラシュネー(ジャン・ドサイ)は、バルザック(19世紀の小説家)の専門家で、38歳の魅力的な妻のフランカ(ネリー・ベネデッティ)、幼い娘と共にパリでメイドもいて比較的優雅な暮らしをしている。

 

しかし、ラシュネーはリスボンでの講演におもむく飛行機の中で22歳のスチュワーデスのニコル(フランソワーズ・ドルレアック)を見初め、ふたりはやがて恋仲になる。

これまで不倫の経験など一度もない、不器用で優柔不断なラシュネーだったが、次第にニコルとの情事にのめり込んでいく。妻に電話で嘘をつき、パリでニコルに再会し、週末のランスでの講演に彼女を連れて行く。

その頃、講演先に電話をかけた妻のフランカは帰宅した夫を疑い、激しくその行動をなじる。いさかいの果てに離婚のことまで口ばしった。しかし、それはピエールにとっては思うつぼだったのだ。

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その日から彼は事務所に寝とまりするようになりニコールと新しい生活をするためのアパート探しを始めた。しかしニコールはピエールの求婚を拒絶してしまった。

行き場のない孤独がピエールをつつみ、友人に相談し、妻に謝罪することにした。だがその頃、妻フランカはラシュネーが撮ったニコルの写真を見つけ、夫の情事を知る。ピエールが行きつけのレストランで新聞を読んでいる頃、そこへ向かう妻の顔には殺意がみなぎっていた。悲しみと憎しみに苛まれたフランカは、レストランで昼食をとっている夫を猟銃で射殺する。

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ラストシーンはそこまでやるかという衝撃なシーンで終わる。不倫の代償は大きかった。新聞の3面記事の実話をベースにしている。

背景は1963年ごろの話で、タイプライター、電話はコイン式、電報、飛行機の機内では、座席にはタバコの灰皿があり、タバコも認められていた時代。世界各地で、講演活動を行っている主人公だが、東京のホテルは「高輪プリンスホテル」といったセリフも登場する。

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