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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「残り火」(原題:(英)Loving Adults, 2022、Netflix)を見る。

 

残り火」(原題:(英)Loving Adults, 2022、Netflix)を見る。デンマーク映画。長年生活を共にしてきた夫婦の関係が、夫の不倫によって変化するさまを描くサスペンスミステリー。ストーリーは、どんでん返しもあり、予測のつかない展開で、二転三転し最後までスリリングで緊張させられる。

監督を手掛けるのは、バルバラ・トップソー=ローゼンボリ

出演は「皆殺しのレクイエム」のダール・サリム、「白昼夢に抱かれる女」のソニア・リヒター、スス・ウィルキンス、ミケル・ビアクケーア、ラース・ランゼ、ミロ・カンパナーレなど。

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この映画を見ていたら、あの「危険な情事」を思い出させる。夫が、職場の若い女と浮気。その現場を見てしまう妻。映画でありがちな展開だが、妻にも、恐ろしい過去があり、ダメダメ夫に、愛人を殺すように迫るというもの。愛と憎しみは常に背中合わせ。そこに嫉妬が入ると危険が増す。

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物語は、後日談のように刑事が同僚の女性にストーリーテラーのように物語の顛末を語りかける形で進行する。妻役のソニア・リヒターという女優が、足の不自由な一人息子を溺愛しているのだが、不倫夫を追い出して、息子には一切会わせないと宣言するのだが…。

(以下、ネタバレ注意:見る予定の人はスルーしてください)

海の底のシーンが冒頭に映し出される(ラストシーンで同じシーンになり、はじめてある事実がわかる)。

朝4時過ぎの早朝にベッドにいるクリスチャン(ダール・サリム)の携帯(スマホ)にメールが入る。クリスチャンは、スマホの画面を見て無視する。横にいた妻レオノラ(ソニア・リヒター)は「誰から?」と聞くが、仕事仲間からだと言い逃れる。

それでも執拗にレオノラは「見せて」と食い下がる。「友人の浮気に関するもので、プライバシーにかかわる」と拒否るが、スマホの奪い合いになり、クリスチャンはスマホを壁に投げつけ破損させてしまう。

レオノラは、クリスチャンの浮気を確信し、職場の写真、その他の情報を集めていくうちに、夫が若い女性と笑いながら映っている写真を見つける。

妻レオノラと若い女セニア(スス・ウイルキンス)の両方から、決断を迫られ、責められる夫のとった行動は…。

 

レオノラは、毎日、夜中に真っ赤なジャージとフードをかぶってジョギングをしている。

レンタカーのバンを使って、レオノラが走るコースの通りからやや隠れて車で待ち構える。そこに、真っ赤なジャージとフードで女性が走ってくる。

車を静かに出し、赤のジャージ姿の女性を後ろから車で撥ねる。しかも、女性が少し動いているので、さらに車で二度轢くのだった(恐ろしい!)。

車を洗車して戻し(ガソリンを、レオノラのプリペイドカードを使ったのがばれて大変なことに。笑)何食わぬ顔で家に戻り、息子ヨハンが起きていて、二言三言話した後、バスルームで、顔を洗っていると、なんと、レオノラが戻ってきた! あわてる夫。(自分が車で轢いたのは別人だった!)。ひき逃げ事件はテレビで報道される。

警察官も、聞き込みにやってくる。レオノラは悟る。「私を殺したかったのね」。

ここから、レオノラの反撃が始まる。豹変したように、夫に難題を吹きかけてくる。「自分の目の前で、愛人(セニア)に電話をかけて、絶交すると伝えろ」と。

一方、レオノラには友人らしき人物がいなかったが、かつて親しかった女友だちがいることを突き止め、その女に会いに行き、レオノラにはかつて恋人がいたが、亡くなったという事実を知る。しかも、その恋人に別の女ができて、レオノラが崖から突き落としたのではないかといううわさがあったというのだ。

夫婦のバトルが始まるが、クリスチャンは会社の経理関係で不正を働いていたことも発覚。クリスチャンが警察に捕まると、自身にも関連してくると考えたレオノラは、夫の愛人を殺すことで、すべてを帳消しにして、生き延びることを提案するのだった。

愛人宅に向かう夫。

近くのコッテージの様なホテルに宿泊しているレオノラは、クリスチャンの携帯から、夫のふりをして、女にメールを送る。アリバイ工作だ。クリスチャンがセニアの家に行くと、セニアはいったんは拒絶して追い返そうとするが、受け入れてしまう。女は、男が戻ってきたことに安堵し、愛欲に溺れる。その後、レオノラが、あとからやってきて、セニアを刺し殺してしまう。

その後、死体をどう処理したのか…。ストーリーテラーの刑事の推理が続く…。

湖の近くで、祭りのパーティが開かれる。知人、仲間たちが大勢集まる。クリスチャンと友人の男は釣り仲間でもあり、湖に浮かんだ筏(いかだ)の上で、焚火をしようと、薪(たきぎ)を積み上げていた。集まった人々が見守る中、男二人が、火をつけようとボートを漕いでいく。

ちょうどそのころ、刑事たちが警察犬で、殺された女の臭いを追って、向こう岸にいた。犬が筏のほうに向かって吠え続ける。ガソリンを木に注ぎ、マッチで火をつけ男二人は岸に戻る。

岸辺では、老婦人が双眼鏡で、燃え盛る薪を見ていた。双眼鏡を借りた夫が覗くと、灯が燃え上がる中、殺された女が横たわっている姿が見える。

その後、海底のシーンが現れ、人間の骨らしきものが散らばっている光景が映し出される。

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ぞっとさせる、アメリカ映画とは一味違ったホラーに近いサスペンスミステリーだった。

 

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