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★快挙!黒沢清監督がベネチア映画祭で最優秀監督賞(「スパイの妻」)。

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黒沢清監督の映画「スパイの妻」がベネチア映画祭コンペティション部門選出で銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞する快挙を達成した。日本人監督の同賞獲得は第60回の「座頭市」(2003、北野武監督)以来となる。

「スパイの妻」は NHK BS8Kで放送されたドラマの劇場版。太平洋戦争前夜に時代の荒波に翻弄される夫婦の姿を映し出す。偶然恐ろしい国家機密を知って事の顛末(てんまつ)を明るみに出そうとして反逆者と疑われる優作を高橋一生、優作の妻でスパイの妻と罵られながらも愛する夫と手に手を取って生きていこうとする聡子を蒼井が演じた。

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新型コロナウイルスの影響で現地入りは実現しなかったが、9日にはベネチアに向けてリモートで会見が行われた。その会見で黒沢監督は「大きなテーマは社会の中で個人がどう生きるか。どう共存するか、対立するのかということが自分にとって興味深いテーマのひとつでした」と現地の人たちに向けて紹介していた。席上、蒼井優は、現地に行けないことを残念がっていた様子だった。

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黒沢清監督は日本を代表する映画監督の一人で「回路」「トウキョウソナタ」「岸辺の旅」はいずれも、カンヌ国際映画祭で受賞している。受賞の知らせに、黒澤監督は「長い間映画に携わってきたが、こんなうれしいプレゼントはない」と語った。

「スパイの妻」10月16日(金)新宿ピカデリーほか、全国ロードショー。

ベネチア国際映画祭で主要賞受賞の主な日本映画、日本人】 

1951年 金獅子賞「羅生門黒沢明監督 

1953年 銀獅子賞「雨月物語溝口健二監督

1954年 銀獅子賞「七人の侍黒沢明監督「山椒大夫溝口健二監督   

1958年 金獅子賞「無法松の一生稲垣浩監督   

1961年 男優賞 三船敏郎 黒沢明監督「用心棒」   

1965年 男優賞 三船敏郎 黒沢明監督「赤ひげ」   

1989 年 銀獅子賞「千利休 本覚坊遺文 熊井啓監督   

1997年 金獅子賞「HANA-BI」北野武監督 

2003年 銀獅子賞「座頭市北野武監督

2020年 銀獅子賞「スパイの妻」黒沢清監督