ソフィア・ローレンは1970年に戦争悲恋映画「ひまわり」で、日本中を泣かせた。
この年に公開された映画としては「ひまわり」のほか「明日に向かって撃て!」「いちご白書」「続・猿の惑星」などがあった。
世相で見ると、1970年は、相撲でいえば、現在解説者となっている北の富士と、玉の島が横綱に昇進した年(1月)で、3月には「大阪万博」が開幕した。
8月には東京で「歩行者天国」(銀座)が始まり、11月には三島由紀夫が市ヶ谷の自衛隊に乱入し、クーデターを訴えて自殺するというショッキングな事件が起こった。
1970年公開の外国映画の興収ランキングは以下の通りで「ひまわり」は5位だった。リバイバル公開もブームだった。
ローレンの主演映画では「結婚宣言」(1970)が公開され、マルチェロ・マストロヤンニとの共演作が続いた。1972年には、ミュージカル映画「ラ・マンチャの男」が公開された。ピーター・オトゥールとの共演で、ローレンの野性味が光った。
「旅路」(1974」のあと、デヴィッド・リーン監督の名作「逢びき」(1945)のリメイク「逢いびき」(1974)が公開された。「逢いびき」は名作をカラーでなぞっただけで、オリジナルと比べると、見劣りがした。
1977年には、細菌列車を扱った「カサンドラ・クロス」、マストロヤンニとの共演「特別な一日」が公開された。「特別な一日」は、1938年、ファシスト政権下のローマが舞台のエットーレ・スコラ監督作品。
「ブラス・ターゲット」(1978)「プレタ・ポルテ」(1994)などに出演した後、フェリーニの「8 1/2」のミュージカル版「NINE」(2009)に出演。
2010年にはテレビ映画「ソフィア・ローレン 母の愛」(原題:MY HOUSE IS FULL OF MIRRLORS)に出演。これはNHKBSでも放送されたローレンの自伝的な映画だった。
【番外編】
世界的大女優ソフィア・ローレンは、日本に何度も来ている親日家の一人。1976年には、ホンダの2輪車「ロード・パル」のCMに出演した。
CM内でソフィア・ローレンが発したキャッチフレーズの「ラッタッタ」は、本バイクの通称ともなり、気軽に乗れる印象をさらに深めることにもつながった。
(おわり)