2015年の大ヒット衝撃作「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」(原題:Fifty Shades of GREY、2015)を見た。主演女優のダコタ・ジョンソン(映画撮影時は25歳)が、ブルーの瞳で魅力的。かつてのソフィー・マルソーのような印象。
ダコタ・ジョンソンの両親は、俳優ドン・ジョンソンと女優メラニー・グリフィス(「ワーキング・ガール」)という映画一家。「フィフティ~」の主役オーディションを勝ち取ったダコタだが、内容がヌード、ラブシーンが大胆で強烈なため、両親には映画を見ないようにと約束させたという。
巨大企業の若きイケメン大富豪CEOのグレイ(ジェイミー・ドーナン)は有能だがサディストの性的嗜好を持ち、それまで恋愛経験がなかった女子大生アナ(ダコタ・ジョンソン)とのSMの主従契約という”特異な”恋愛模様を過激に描いている。
映画は全世界で社会現象を巻き起こし、興行収入5億7000万ドル(約600億円)超えという記録を打ち立てた作品。
原作は、一般主婦が趣味で執筆しインターネットにアップした小説が評判を呼び、全世界でベストセラーとなった官能小説。主婦が書いた女性向けのエロティックな小説として「マミー・ポルノ」と呼ばれ、50か国以上で翻訳され、世界で累計1億部という驚異のベストセラー。
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誰もが心惹かれてしまいそうな容姿でばく大な富を持つグレイは「君のことを知りたい」と引っ込み思案で恋愛未経験のアナに興味を示す。次第に二人が親密になっていったある日、グレイの自宅に呼び出されたアナは衝撃的な契約を持ち掛けられるのだった。
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巨大な自社ビルを所有し、自家用ヘリを自ら操縦し、高級車も何十台も所有する27歳の若きCEO、クリスチャン・グレイは独身で、恋人かパートナーがいてもよさそうだが、グレイには社員も知らない秘密があった。
大学新聞を発行するケイト・ギャブナーという女性がグレイCEOの成功の秘訣などの取材を申し込んでいたが、当日風邪をひいて行けないということで、ルームメイトのアナスタシア・スティール(愛称はアナ)(ダコタ・ジョンソン)が代わりに取材に出向くことになった。慣れないためケイトが質問リストを用意した。そのリストを持ってグレイハウスと入り口にかかれた高層ビルで、クリスチャン・グレイ(ジェイミー・ドーナン)と面談する。
グレイに質問できるインタビュー時間は10分。
質問リストに「あなたはゲイか?」という項目があり、単刀直入に聞いた。
「いや、ゲイではない」とクリスチャンは答えるが、箇条書きの質問リストから質問を始めるが要領を得ない。インタビューをきっかけにアナは若く魅力的なクリスチャンに惹かれ、クリスチャンもまたアナに関心を持ち始める。
クリスチャンは、そこで結束バンド、テープ、ロープなどを注文する。アナが「シリアルキラー(殺人鬼)みたい」と冗談ぽくいうと「”きょうは”ちがう」と悪びれずに応えるクリスチャン。このあたりから、クリスチャンの”危なさ”の一端がちらつく。
会話の中でアナは、学生新聞用にケイトがクリスチャンの写真を撮りたがっていることを話す。クリスチャンはそれに快諾し、二人は後日また会うことになる。
後日、アナの友人であり写真家志望のホセ・ロドリゲスによって撮影は順調に進んでいく。撮影終了後クリスチャンはアナをコーヒーに誘い、二人はカフェへと向かう。
その帰り、危うく自転車に轢かれそうになったアナをクリスチャンが抱き寄せ、二人の距離は近くなる。キスしてほしいと目で訴えるアナだったがクリスチャンに「私は君にふさわしくない」と告げられたことにショックを受け、クリスチャンに別れを告げてその場を立ち去ってしまう。
卒業試験が終わった日にアナとケイトは試験終了を祝ってバーへ飲みに行くことになった。家を出ようとしたその時、クリスチャンからアナへ、アナの好きなトーマス・ハーディの作品である「ダーバヴィル家のテス」の初版本が届く。あまりに高価なものが届き、アナは困惑する。
バーで飲んでいたアナはトイレに並んでいる間にクリスチャンに電話し、なぜ「テス」の初版本を送ってきたのか聞こうとする。クリスチャンはアナの話し方からアナが酔っていると察知し、どこのバーで飲んでいるのかアナを問いただす。しかしアナは電話を切ってしまう。
酔いを覚まそうとアナはバーの外に出ていると、一緒に飲んでいたホセがアナの後を追いかけてくる。以前からアナに好意を寄せていたホセは、アナにキスを迫る。アナがホセを拒もうとするとそこにクリスチャンが現れ、二人を止めに入る。そこであまりに泥酔したアナは嘔吐してしまう。そんなアナをクリスチャンは優しく介抱し、アナの自宅へ送ろうとするがアナは気を失ってしまう(Wikiの一部を抜粋)。
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恋愛経験もない女子大生が、若いCEOのグレイの嗜好を垣間見るうちに、グレイから「恋愛はしない」として、特殊な契約(秘密保持契約)を提案される。その契約というのは、グレイが支配者となりアナが従属者になるというもの。その中身は、常軌を逸したものだった。「支配者は、従属者をたたくことができ、手を縛り、目隠しをしたり、天井から吊るしたり・・・」できるというもの。従属者はその代わり、豪華な部屋を与えられるというのだが・・・。
主人公のアナは、結局グレイの契約までの予行演習に付き合わされて、特殊な性の奴隷になりかかるが、自分では愛のないクリスチャンの欲望を満たすことは出来ないということを悟り、クリスチャンとの別れを決意する。
クリスチャンから今までにもらった車やパソコン、携帯電話など全てを返却し、アナはクリスチャンに別れを告げる。自宅に帰ったアナはクリスチャンを失った心の痛みとクリスチャンによってもたらされた肉体の痛みを抱えて大声をあげて泣くのだった。
タイトルの「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」とは、グレイには50の顔がある(= 字幕)といった意味。グレイが、SM嗜好にとらわれていることについて、アナが「なぜか?」と聞くと「それが、私だからだ(because it’s where I am)」と答えていたが、子供のころにヤケドをし、4歳の時に母が死に、若い時に複雑な体験をしたことなどが、いびつな性癖を持つ要因になったようだ。
手錠やベルト、その他SM器具が「プレイルーム」という部屋に所狭しと並んでいたが、使われたのはほんの一部だった(笑)。SM嗜好の若い大金持ちが、普通の恋愛では満足できず、まさに”アメ”と”ムチ”で相手と秘密契約により主従関係を結んで、自己満足のために相手を意のままにしようとする異常な世界を描いたサド映画だった。
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