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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「ガール・オン・ザ・トレイン」(2016)

 
ガール・オン・ザ・トレイン」(原題:The Girl on the Train2016)を見た。
スリラーということだが、むしろイヤミス”映画。「イヤミス」=イヤーな気分にさせるミステリー。「火サス」(火曜サスペンス)っぽい展開だった。監督はテイト・テイラー、主演はエミリー・ブラント
 
 
謎解きミステリーサイコホラーといったらいいのか。
エミリー・ブラント扮するヒロイン・レイチェルはアルコール依存症、情緒不安定で記憶障害がある。電車に乗るとかならずある家の前の光景に目を止める。そこの家のデッキには若い女の姿が見える。その若い女は、レイチェルにとっては理想の姿に思われた。
 
この若い人妻が失踪し、遺体となって発見され、疑惑の目レイチェルに向けられるというストーリー。自分ではないと主張し、自ら犯人を探し始めるレイチェル。一体だれが若い妻をしたのか
 
レイチェルのこれまでの過去の場面にタイムスリップする。半年前。3か月前。1週間前・・・。徐々に全貌が明らかにされて行く。
 
映画では一人のトムというレイチェルの元夫を巡って、3人の女性が登場。
一人はレイチェルエミリー・ブラント。トムは、鬼畜のようなゲス男で、職場で不倫が発覚して解雇されたのだが、妻(レイチェル)のアル中の記憶障害を理由に会社を辞めたとでっちあげる。二人目が、トムの浮気相手の女(アナ)(レベッカ・ファーガソン)。
 
トムはレイチェルと離婚し、アナと結婚してしまう。
アナとトムとの間に生まれた幼子がいた。そしてもう一人の女性が、アナの子供のベビーシッターのメガンヘイリー・ベネットである。このメガンが、実は、車窓から眺めていた若い女だった。
 
登場人物の人間関係を理解していないと、ややわかりにくい。
 
                アルコール依存症のレイチェル
 
レイチェル
物語のヒロインでアル中の妄想女。若い妻(メガン)のことを理想の自分だと思っており、彼女が夫以外の誰かとキスしているのを見て激高。彼女を問い詰めに行くが、ベロベロに酔っていたので記憶がない。その後、メガンが遺体となって発見されたことにより現場にいたレイチェルに疑いの目が向けられる。記憶が定かでなく、もしかしたら自分がやった可能性もあると犯人捜しをするが、基本的に妄想で発言することが多く、的外れな発言をして犯人探しの妨害をしている状態。アルコール依存というイメージが先だって周りからのまったく信用がない。
 
                     メガン
メガン
レイチェルがいつも電車から覗いている家に住む若き妻。
幸せそうな家庭の様子はまさにレイチェルの理想とする姿。ところが、誰かに殺され遺体となって発見される。遺体となって発見されたことによってメガンの過去が明かされていく。それは決してレイチェルの目指す理想の妻などではなく、お風呂で寝てしまい、我が子を溺死させてしまったり、本当は男にだらしないなど、理想の妻でないことが明らかになっていく
 
              アナとゲス男トム
 
アナ
レイチェルの元夫トムの現在の妻。子供が1人。レイチェルのことをかなり恐れている。レイチェルの不振な行動があるためで、レシチェルが視界に入るだけで嫌悪感を示すほど。子育てができず、メガンにベビーシッターとして働いてもらうが、見離される。
   
・・・
トムがゲス不倫男というのは続いていた。レイチェルから、不倫相手だったアナと結婚した後、今度はベビーシッターのメガンとも不倫関係があったのだ。 メガンが「私、妊娠した」と告げると、トムはかなり動揺しながら「おめでとう」というが、トムは「中絶してほしい」と頼む。しかし、メガンはそれを拒否。キレたトムはメガンを殴り倒し、顔面に2発、蹴りを入れて気絶させる。そして、岩陰に連れて行き、大きな石をメガンめがけて何度も叩きつけるのだった。
 
ところが、ラストには、トムの自業自得という結末が待っていた。
 
・・・
すべての事件解決。レイチェルは、また電車に乗っていた。かつてのように、窓から家を眺めることはなかった。まっすぐに前を向いて人生をやり直す決意にあふれていたのだった
 
原作は大ベストセラーのようだ。映画は、最後は少しの希望を見せているところに救いがあった。
 
主な登場人物:
レイチェル・ワトソン - エミリー・ブラント: トムの元妻でアルコール依存症に苦しんでいる。
●アナ・ワトソン - レベッカ・ファーガソン: トムの現在の妻。
●メガン・ヒップウェル - ヘイリー・ベネット: スコットの妻。
●トム・ワトソン - ジャスティン・セロー: レイチェルの元夫。
●スコット・ヒップウェル - ルーク・エヴァンス: メガンの夫。
●ライリー刑事 - アリソン・ジャニー
●カマル・アブディック医師 - エドガー・ラミレス: メガンの主治医で精神科医
●マーサ - リサ・クドロー: トムの元上司の妻
●キャシー - ローラ・プレポン: レイチェルの大学時代からの友人でルームメイト。
 
この映画は、賛否両論あるようで、ドロドロのメロドラマにすぎないという意見だが、女優陣の演技をみるぶんには、それなりに面白い。 
 
エミリー・ブロンテは、心の折れた役で、もがき苦しみながらもアル中や、記憶喪失と闘う姿を熱演。「プラダを着た悪魔」「砂漠でサーモン・フィッシング」などに出演していたが、印象に残るのは、「ボーダーライン」。
 
レベッカ・ファーガソンは「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」で謎の女スパイを演じ、トム・クルーズと共にアクションを見せていたのが印象に残る。
 
ヘーリー・ベネットは見たことがあると思ったら、それもそのはず最近見たばかりの「マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと」や、「マグニフィセント・セブン」などに出演している。
 
女刑事を演じて味わいのあるアリソン・ジャニーは「アメリカン・ビューティ」「ヘアスプレイ」「ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜」などに出演しているベテラン女優。
 
 
 
 
☆☆☆
 
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