fpdの映画スクラップ貼

「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「名探偵登場」(1976)</span>



ニール・サイモンの脚本とあっては見ないわけにはいかないと思って、公開40年後にようやく「名探偵登場」(原題:Murder by Death、1976)を見た。この映画はミステリーというよりも名だたる名探偵のパロディ満載の爆笑コメディといったほうがいいかもしれない。



出演者が、とにかく豪華。謎の大富豪を、プロの役者並みに演じるのがなんと作家のトルーマン・カポーティカポーティといえば、泣く子も黙るティファニーで朝食を」や「冷血」が有名だ。
「脱出」「マルタの鷹」などの探偵サム・スペードのパロディを”刑事コロンボピーター・フォークが演じている。その秘書兼愛人アイリーン・ブレナンなど金髪で、ローレン・バコールそのもの。
おまけに映画の最後のシーンで、ピーター・フォークが秘書にいうセリフが、あのセリフではないか!(guchさんのお気に入りセリフでもある、あのセリフ!)。
「用があったら口笛を吹きな 駆けつけてやるぜ。
吹き方は知っているだろう」 
(映画「脱出」のセリフ)

影なき男」シリーズ(未見)のニック&ノラ・チャールズのパロディ、デヴィッド・ニーヴンとその妻役のマギー・スミスチャーリー・チャン警部のパロディ、ピーター・セラーズとその養子リチャード・ナリタ、美食家としてアガサ・クリスティの作品に登場するエルキュール・ポワロのパロディ、ジェームズ・ココと、その運転手役で、現在名バイプレイヤーとして活躍する若き日のジェームズ・クロムウェル、ポワロと同様、クリスティ作品に登場するミス・マープルのパロディ、エルザ・ランチェスター(「情婦」)と看護師エステル・ウィンウッド、聾唖者のメイド、ナンシー・ウォーカー、そして、盲目の執事を怪演するアレック・ギネなど、その見事な演技を堪能できる。




簡単なストーリーは以下の通り。
大富豪トウェイン(トルーマン・カポーティ)は、世界の名探偵に”晩餐と殺人に御招待します”という、挑戦状のような招待状を送る。
ニューヨークチャールストンデヴィッド・ニーヴン)夫妻、カタリーナ島のワン(ピーター・セラーズブリュッセルペリエジェームズ・ココサンフランシスコのサム・ダイヤモンド(ピーター・フォーク)、イングランドマーブルズ(エルザ・ランチェスター)は屋敷に到着するが、それぞれが死の危険を感じる。

食事が始まり、現われたトウェインは、12時に、この中の誰かが殺されて、また犯人はこの場にいると伝え、犯人を当てた者には100万ドルを渡すと言い残して姿を消してしまう。

その後、盲目の執事ベンソンマム(アレック・ギネスが殺され、その謎を検証するうちに、12時となり、トウェインも刺殺されてしまう。

不可解で謎の多い事件ではあったが、やがて、招待客は、それぞれが、トウェインを殺す動機があったことことが分かるのだが・・・。 
 
・・・  
推理をしていく中で、ここにいる名探偵全員がトウェイン氏となんらかの因縁があることが判明する。名探偵たちは全員、トウェイン氏を殺す動機があった。

毒蛇、サソリ、毒ガス、爆弾、部屋を押しつぶす天井・・・名探偵たちは部屋に仕掛けられた危険を乗り越え、真犯人の元にたどり着くのだが・・・。

オールスターキャストのコメディ&パロディでは、「007 カジノロワイヤル」(1967)があり、やはりデヴィッド・ニーヴンピーター・セラーズなどが出演していたが、あまり乗れず、面白くなかった。「名探偵登場」も似たようなドタバタの展開でいまいちだなと思っていたが、最後の10分くらいでがぜん面白くなっていった。

とくに変装していたフェイスマスクを外して本当の姿が出てくるところだが・・・さらにその裏もあったという展開にあっと言わせるものがある。



気のきいたセリフが多いのも、ニール・サイモンの脚本の妙味。
ジェームズ・ココが運転手のジェームズ・クロムウェル(若い!)に言うセリフ。
「お前の話はハネムーンの天気予報だ。不要だ」(笑)。
「最後の5ページで真犯人が出てきてどんでん返しになるのだ。100万の怒れるミステリー読者に復讐するのだ。」
「昔から犯人と言えば、執事ということになっている。」

監督:ロバート・ムーア
製作:レイ・スターク
脚本:ニール・サイモン
撮影:デヴィッド・M・ウォルシュ
編集:ジョン・F・バーネット
音楽:デイヴ・グルーシン
出演:
・ライオネル・トウェイン:トルーマン・カポーティ
・サム・ダイヤモンド:ピーター・フォーク
・ディック・チャールストンデヴィッド・ニーヴン
シドニー・ワン:ピーター・セラーズ
・ミロ・ペリエジェームズ・ココ
ジェシカ・マーブルズ:エルザ・ランチェスター
・ジェームズサー・ベンソンマム:アレック・ギネス
・ドーラ・チャールストンマギー・スミス
・テス・スケフィントン:アイリーン・ブレナン
・ウィザース:エステル・ウィンウッド
・マルセル:ジェームズ・クロムウェル
・イェッタ:ナンシー・ウォーカー
・ウィリー・ワン:リチャード・ナリタ
アメリカ映画/1976年製作 94分
公開:北米:1976年6月23日、日本:1976年9月23日

☆☆☆ (ラストのどんでん返しで☆1個追加)

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
「にほん映画村」に参加しています:ついでにクリック・ポン♪。