ミュージカル映画「スイング・タイム<有頂天時代>」(原題:Swing Time, 1936)を見た。「トップ・ハット」「艦隊を追って」と同じくフレッド・アステア、シンジャー・ロジャース主演。監督は「乙女よ嘆くな」「愛の弾丸」のジョージ・スティーヴンス。
音楽は「ロバータ」「ショーボート」のジェローム・カーン作曲、作詞は「セシリア」「恋の歌」のドロシー・フィールヅ。アカデミー賞歌曲賞を受賞。テーマ曲(The Way You Look Tonight)はなじみのある曲で有名。
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ラッキー・ガーネット(フレッド・アステア)はポップ一座の舞台でダンサーをしていたが、婚約者のマーガレットと結婚することになった。ところが一座のダンサーたちは、ラッキーの結婚は中止になると賭けていたので妨害しようとした。
ラッキーは、結婚式の時間に遅れたため、マーガレットの父親は腹を立てて貯金が
2万5千ドルできるまで結婚を許さぬと言い出したので、ラッキーは再びニューヨークにやって来た。
そしてラッキーは舞踊学校の教師ペニー・キャロル(ジンジャー・ロジャース)と知り合いになり、素人のふりをしてペニーの元に弟子入り。ラッキーはわざと不器用で物覚えの悪いふりをしたのでペニーはラッキーを叱り飛ばしたが、この事が原因で校長ゴードンはべ二ーをクビにしてしまう。
しかしラッキーは、べ二ーに習った踊りだと言って素晴らしい踊りを見せたので、ゴードンは驚き喜んで2人をチームとしてナイトクラブに出演させることにした。
ポップ・カルデッティ(ヴィクター・ムーア)も同じ学校に弟子入りしていて、彼が原因で受付けのメーベル・アンダーソン(ヘレン・ブロデリック)がクビになる。
ポップは彼の舞台衣装を買いに出たが、その金を賭博ですってしまう。
その代わり夜会服を着た酔いどれ紳士を連れて来たので、ラッキーは賭けをして服を巻き上げようとする。
ところが勝負は紳士の勝ちとなって、ラッキーは裸にされてしまう。
このため出演は延期となり、ラッキーはペニーに絶交を宣言されたが、メーベルの取りなしで仲直りする。
しかし今度はクラブの持ち主シムプスンがインチキ師レイモンドにバンドを取られてしまう。ラッキー、ポップ、メーベル、ペニーの4人はレイモンドに復讐戦を申し込んで大勝を博しバンドを取り戻し、試験は大成功裡に終わった。
ラッキーの貯金はたちまち増えたが、今ではペニーを愛するラッキーは貯金が2万5千ドルに達しないように苦心する。ペニーは彼の婚約をポップから聞いて失望し、また腹を立てる。
ラッキーはシムプスンと共同でナイトクラブを経営する事になったが、開場式の夜、レイモンドにダイスで負け、ペニーの契約権もその方に移ってしまう。失望したペニーは以前から彼女を愛していたバンドの指揮者ロメロと結婚の約束をする。
式の当日、ロメロはラッキーの嘘と策に乗せられ、ズボンを取り上げられたので遂に式はお流れとなり、結局マーガレットと婚約を解消したラッキーとペニーは仲直りをして結婚するのだった(MovieWalker)。
1936年製作だが、アメリカの豊かさが目立つ。
日本はと言えば、この年(昭和11年)2月に「2.26事件」が起こり、東京市(当時)では戒厳令が布告されるなど、やや不穏な時代でもあった。数年後には太平洋戦争(第二次世界大戦)に突入。「欲しがりません、勝つまでは」という時代となった。
さて、映画は、タップダンスで天才的な芸を見せたフレッド・アステアとジンジャー・ロジャースのダンスがワンテイクで長々と踊るシーンが印象的だった。随所にユーモアも含まれ、ラブコメディの色彩が強い。
当時の結婚衣装に関して、ファッション的に男のズボンに「折り返し」があるかないかが大きなポイントとなっていた。音楽家(指揮者)の新郎のズボンを仕立てるといって、隠してしまい、だぶだぶの仮のズボンをはいた音楽家を見て「テンポとズボンが落ちなければいいがな」だった(笑)。
抱腹絶倒のシーンがある!
婚約中の主人公たちだがしばらく離れているうちにそれぞれに好きな相手ができてしまう。再会した時に、それぞれが「好きな人ができた。別れてほしい」となかなか言い出せない。女が、そのこと(=別れてほしい旨の)紙を渡すと、男は、まさかと思い笑いをこらえきれないのである。両方ともハッピーというわけ。
戦前・戦中のハリウッド映画にありがちな、ミュージカル&ロマンスを描いたハッピーエンドの物語だった。
テーマ曲
(テーマ曲:The Way You Look Tonight)
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