ジンジャー・ロジャースは、この映画でアカデミー賞主演女優賞を受賞した。
アメリカで、ウーマン・パワー、ウーマン・リブというのが叫ばれ出したのは1960年代後半からだが、1940年のこの映画では、主人公の女性が、”自立した女性”を演じており、当時としては珍しかったかもしれない。冒頭で、昔と比べて女性が強くなったということをコミカルに紹介する映像が流れていた。もっとも、日本でも「戦後強くなったのは女性と靴下」としばらく言われていた(笑)。
(物語)
冒頭、ナレーションで、「これは新しいタイプのアメリカの女性(a white-color girl)
の物語である。1900年に遡って彼女の成長を見ていこう」というセリフが入る。そして、昔と比べてだんだん女性が強くなったことを手短に紹介していく。
かくして、女性は男性と一緒に働くことになり・・・となり現代(1930年代)に移る。
キティ・フォイル(ジンジャー・ロジャース)はニューヨークの化粧品店で働くOL。
ある晩、彼女に思いを寄せる医師のマークからプロポーズされ、これを承諾して自分の部屋に帰ってくると、そこには彼女の初恋の相手であるウィン(デニス・モーガン)が待っていた。既婚者であるウィンから南米へ一緒に駆け落ちしようと誘われたキティは、一度はイエスと答えたものの、鏡に映った自分の分身の勧めで自分のこれまでの生き方を振り返る・・・。
キティに鏡の中からもうひとりの自分が語りかけてくる。
タイトルからは、ラブコメの印象を受けるがそうではなく、金持ちのお坊ちゃんであるウィンと貧乏医師のマークという二人の男性の間で揺れ動く女心を描いた作品。結婚→離婚→妊娠→死産と続くキティの半生のシリアスな面も覗かせている内容。
しかも、最後はキティが自分自身の考えで二人の男性のうち一方を選択するという結末になっている。
・・・
キティは、ウィンのプロポーズで結婚を承諾し、ウィンの家族の住むフィラデルフィアに行くが、ウィンの両親や親戚は、ウィンに財産を全て委ねることになるので、家のしきたりに従ってもらうために、妻となる人間は、1年間教育を受けてもらうと言い出す始末。同じフィラデルフィアの出身のキティは貧しい下層の出身。
キティはきっぱりと言った。
「お金持ちの人形になるには、6代もかかる。フィラデルフィアで一生を過ごす考えはない。ニューヨークで自分の生活を築いてく」と。キティは、財産目当てで婚約したのではなく、ウィンの求婚に応じたのだが、ウィンも両親に反論できないままだったので、一人ニューヨークに戻ったのだった。何年か、ウィンを思い続け待っていたが、そんな時に、マークからプロポーズされたのだが・・・。
果たして、キティの選択は・・・。
本作品の成功で演技派女優への道を歩み出したジンジャー・ロジャース。
この映画の時代背景の描写なども面白い。
1932年の大統領選で、フランクリン・ルーズヴェルトがフーバーを破って大統領になった、といった放送がラジオから聞こえてくる。酒場などでは歓迎ムードだったが、一部でフーバー支持者が頭を抱えるシーンもあった。ちなみにフランクリン・ルーズヴェルトはアメリカで唯一4選を果たした大統領である。その後は大統領の任期は2期8年と定められた。
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