「ピアニスト」(仏: La Pianiste、英: The Piano Teacher、2001)を見た。
タイトルから、何も知らずにピアニストの音楽関連の物語かと思ってみると、とんでもなく怖い?内容なので面食らうことになるだろう。
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ウィーンの名門音楽院でピアノ教師として働く39歳のエリカ(イザベル・ユペール)は、今までずっと過干渉な母親の監視下で生きてきた。母親(アニー・ジラルドー)に対して愛憎入り混じった感情を抱きつつも、突き放せずにいる。
ファッションや恋愛などとは無縁の人生を送らざるを得ず、その欲求不満を晴らすかのように倒錯した性的趣味を密かに持つようになったエリカ。
それでも彼に対して厳しい態度を崩さないエリカだが、ある時、化粧室で熱烈にキスをされたのをきっかけに、自らの倒錯した性的趣味をワルターで満たそうとする。
ところが、あまりの倒錯した要求にワルターは幻滅し、エリカに侮蔑の言葉をぶつけて立ち去る。エリカはショックを受けるが、後日になって、深夜にエリカの家に突然やって来たワルターは、エリカの母親を部屋に閉じ込め、その部屋の前で不本意ながらも「エリカの希望通りに」エリカを殴りつけて犯す。
ことを終えたワルターは「互いに秘密にしておこう」と言い残して帰って行く。
翌日、顔を腫らしたエリカはナイフをバッグに忍ばせて自分が代理で演奏するコンサート会場にやって来る。
ロビーでワルターがやって来るのを1人で待っていたエリカだったが、ワルターが何事もなかったかのように明るく爽やかにエリカに挨拶し、会場に入って行くのを見送ると、忍ばせていたナイフで左胸を刺し、血を流しながら街中に歩み出て行く(Wiki)。
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かなり生々しいシーンもあり、苦手な人は要注意警報。 中年女性が1人でポルノショップに入って個室でAVを観るという行動は、まわりの客からは好奇の目で見られる。しかも前の男性客が使ったティッシュを嗅いだり、他人のカーセックスを覗きながら放尿したりという、尋常ではない行動をとるのだ。
若い男ワルダーに迫られても「私には感情は無いの。あっても理性が勝るの」と相手にしない。しかし、いったんセキが切れると抑圧されていた反動が一気に噴出する。
ほかの映画と同様に、どこか割り切れない、不穏さが残るすっきりしないエンディングではあるが、余韻を残す映画だ。
☆☆☆
ハネケ監督作品:
「セブンス・コンチネント」Der Siebente Kontinent(1989年)
「ベニーズ・ビデオ」Benny's Video(1992年)
「71フラグメンツ」71 Fragmente einer Chronologie des Zufalls(1994年)
「ピアニスト」La Pianiste(2001年)☆☆☆
「タイム・オブ・ザ・ウルフ」Le temps du loup(2003年)
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