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<span itemprop="headline">映画「さざなみ」(原題:45 Years) シャーロット・ランプリング主演。 </span>





さざなみ」(原題: 45 Years, 2015)を見た。
2015年英国映画で日本では、今年の4月に公開された原題の「45年」というのは、結婚45周年のことで、それを「さざなみ」としたのはいい邦題かもしれない。

この映画は、一言でいえば、結婚45周年を迎える、平穏無事だった熟年夫婦を襲った、夫の秘密と今は亡き恋人への嫉妬心ということになる

ドラマチックな事件も起こらず、登場人物も少なく、地味といえばこれほど地味な映画もないかもしれない。それでいて、考えさせられるところも多い映画だった。
 

出演は
「愛の嵐」「スイミング・プール」のシャーロット・ランプリングと「カルテット!人生のオペラハウス」のトム・コートネイが夫婦の心の機微を繊細に演じ、第65回ベルリン国際映画祭で主演男優賞と主演女優賞をそろって受賞した。

アカデミー賞では、主演男優賞(トム・コートネイ)と主演女優賞(シャーロット・ランプリング)の両方にノミネートされていた。同一作品で、主演男女がノミネートされる例は少ない。アンドリュー・ヘイ監督のデビュー作。
 
・・・
長年連れ添った夫婦の関係が1通の手紙によって揺らいでいく様子を通し、男女の結婚観や恋愛観の決定的な違いを浮かび上がらせていく人間ドラマ。


 
結婚45周年を祝うパーティを土曜日に控え、準備に追われていた熟年夫婦ジェフトム・コートネイとケイトシャーロット・ランプリング。ところがその週の月曜日、彼らのもとに1通の手紙が届く。



それは、50年前にスイスの氷山で行方不明になったジェフの元恋人カチヤの遺体が凍ったままの形で発見されたというものだった。
 
その時からジェフは過去の恋愛の記憶を反芻(はんすう)するようになり、妻は存在しない女への嫉妬心や夫への不信感を募らせていく・・・
 
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シャーロット・ランプリングの年輪を刻んだ表情、佇まい、まなざしや、ジーンズを穿いても、姿勢もよく、すらりとしたスタイルなどに圧倒される。一方のトム・コートネイは、やや無神経のようで、昔の彼女の幻影を追い求めているのだが、どことなく哀しく味わい深く演じている

妻から「もし彼女が生きていたら、結婚したか?」と聞かれて、というより問い詰められて「イエス」と答えてしまったことで、妻・ケイトは、不信と嫉妬心を燃やしてしまう。

45年のパーティで皆から祝福された中、妻が一瞬見せた表情と、振り払った手が印象的だったパーティで、スピーチをすることになっていたジェフ(トム・コートネイ)は、「若い時には、多くの選択の中から、選択しながら生きてきた。だが年齢を重ねるにしたがって、選択の幅も少なくなっていく。45年たって言えることは、ケイトを選択したのは、最高の選択だった」といったことを話す。パーティ参加者は、一応に拍手し、ジェフとケイトにダンスをするように促し、音楽がかかり、踊り始める。
 
音楽は45年前の結婚式の時に流れたプラターズの「煙が目にしみる」(Smoke Gets In Your Eyes, by Platters)だった。このほか”Happy Together”(The Turtles)、”Go Now”(The Moody Blues)などの曲がかかった。

 中流れる「煙が目にしみる」
 
ただ、最後でケイトは、何か遠くを見るような表情で、夫の手を払いのけるシーンがあった。そこには、夫のかつての恋人カチャが夫の心の中にしみこんでいるのではないかという疑念が拭い去れない。あるいは、自分自身に、カチャを重ね合わせていたのに過ぎなかったのではないか・・・と。

この映画は、1週間後に控えた45周年パーティに向けて、月、火、水・・・と進んでいくが、月曜日に、突然の手紙が届いたのだった。このことがきっかけで、ジェフはかつての恋人カチャに関して、手紙のやりとりや写真のスクラップ帳を家のロフトに持っていて、ジェフが探していたところ、カチャの1枚の写真を発見。

ケイトが写真を見せるように強く要求、写真を目にしてしまうと、ケイトの顔色が変わり、ショックを受けるのだった。写真は、画面には映らなかったが、身ごもったカチャの写真だったことが容易に想像できる。ジェフとケイトの間には子供がいなかった。犬のマックスが家族の一員だった。


 
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全体的に夫婦で争ったり、口論したりするシーンはなく、静かな映画だが、考え方の相違、価値観の違いなど小さな溝が、徐々に広がっていくといった描かれ方だった。俳優の円熟した演技がすばらしいの一言に尽きる。土曜日までが描かれるが、翌日の日曜日は、どうなっているのかは、想像するしかない。ただ、45年の重みなどから、”熟年離婚”はなく、また再び平穏の日々となるという可能性が高いようだ。

蛇足だが、主人公のジェフが使っていたカメラは、日本製の「Yashica」(1983年に京セラに買収された)だった。懐かしい。

”さざなみ”といっても島倉千代子の「愛のさざなみ」という曲とはずいぶんと違うようだ。

 予告編
 
☆☆☆


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