「トップガン (Top Gun)」とは、1969年3月に創立されたアメリカ海軍戦闘機兵器学校のことで、エリート戦闘機パイロットの上位1パーセントのパイロット達の空中戦技を指導するために創られた養成機関である。
主演のトム・クルーズの役は、当初の候補としてショーン・ペン、マシュー・モディーン、ニコラス・ケイジ、ジョン・キューザック、マイケル・J・フォックス、トム・ハンクスなど名だたる名優の名前が挙がっていたという。
(ストーリー)
アメリカ海軍の艦上戦闘機F-14(通称:トムキャット)のパイロットであるマーベリック(トム・クルーズ)は、自分の勘を信じて時には型破りな操縦をする天才的な直観力と技量を持つパイロット。一方、レーダー要員である相棒のグース(アンソニー・エドワーズ)は、どこにでもいる陽気な人物。ある日、僚機のクーガー(ジョン・ストックウェル)とマーリン(ティム・ロビンス)のコンビと共に、インド洋上で国籍不明のMIG-28と空中戦を交わした。
MIG(ミグ)-28に執拗に追い回され、ロックオンされたクーガーは、恐怖のあまり自力で帰艦できそうになかった。マーベリックは怯えているクーガーを気遣ってボルタ―して、クーガーを無事に帰艦させることができた。
クーガーはもはや限界と判断した上層部は、マーベリックとグースをもミラマー基地のエリート航空戦訓練学校(通称:トップガン)へ派遣する。ここで、マーベリックたちはドッグファイトの戦術を磨くための訓練を受けることとなる。
訓練開始前には、非公式な歓迎パーティが催された。
そこでマーベリックは、シャーロット(チャーリー、ケリー・マクギリス)という宇宙航空物理学の教官に一目惚れする。彼女にとって、自分の専門分野であるMIG-28と実戦を交わしているマーベリックは、いつの日か立場を超えて恋愛の対象となる。
ある日、編隊飛行での攻撃訓練中に、マーベリック機はエンジン不調により操縦不能になってしまった。脱出する際に、グースはキャノピーに頭部を強打し、命を落とす。
マーベリックは、激しい自責の念にさいなまれる。事故調査委員会で、パイロットとしての責任は問われなかった。しかし「彼を飛ばし続けろ」と言うヴァイパーの願いも空しく、マーベリックは自信を喪失してしまう。ワシントンDCに職場を移すことになったチャーリーからは、失望されて去られてしまう。
周囲の励ましもあり、マーベリックはトップガンの卒業式に出席する。
レーダー要員の決まっていないマーベリックには、ヴァイパーは自分が一緒に飛んでもいいと言って彼を励ました。マーベリックが自信を失っていると聞いていた空母飛行隊長は、作戦会議で彼を後方支援に回す。
2機対2機と思っていたが、実際敵は5機だった。
数で圧倒的に勝る敵機によって、アイスマンたちは苦戦を強いられる。
そして、ハリウッド機が撃墜される。マーベリックは自信が持てないまま、出撃を余儀なくされる。
マーベリック機は何とか制御不能状態から回復はしたものの、グースを失ったことを思い出して、怖くなり戦闘域から逃げた。グースのドッグタグを握りしめ、祈るように呟きながらマーベリックは戦闘復帰する。
アイスマン機と協調して、敵機を4機撃墜、1機を撤退させることに成功した。
この一戦により、マーベリックは一匹狼ではなくなった。
マーベリックは、チームワークを知る優秀なパイロットへと成長することが出来た。そして、グースを失った自責の念も克服される。
・・・
マーベリックとチャーリーとの出会いと再会シーンなどが印象に残る。セリフのやりとりも面白い。落ち込んでいるマーベリックを見て、女教官のチャーリーは「ギブアップすることしか学ばなかったのね」と痛烈な言葉をいうのだが・・・。
ケリー・マクギリスが金髪で、往年のローレン・バコールのような大人の雰囲気の女優を思わせた。ほんのチョイ役だが、メグ・ライアンが出演して、後にラブ・コメの女王と進化していくきっかけとなった映画でもある。
教官の「飛んだら命を懸ける。それがパイロットだ」や、仲間がマーベリックの成功に「僚機にしてやるよ」というと「お前こそ、俺の僚機だ」といったセリフも印象的だ。
出演者:
シャーロット・"チャーリー"・ブラックウッド :ケリー・マクギリス
レオナルド・"ウルフマン"・ウルフ :バリー・タブ
ロン・"スライダー"・カーナー:リック・ロソヴィッチ
リック・"ハリウッド"・ネヴン:ウィップ・ヒューブリー
トム・"スティンガー"・ジャーディアン:ジェームズ・トールカン
チャールズ・"チッパー"・パイパー :エイドリアン・パスダー
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続編「トップガン:マーベリック(原題)」が2019年7月12日に全米公開される予定(日本公開は未定)。2012年に続編製作を進めていたトニー・スコット監督が亡くなり、ジョセフ・コジンスキーが新作を担当する。主演はもちろん、トム・クルーズ。ほかにはマイルズ・テラー(「セッション」)、「ドリーム」(2016)のグレン・パウエルの出演がこのほど決まった。
「トップガン」の最後の方で、ミグ戦闘機との戦いで成功を収めたマーベリックは一躍ヒーローとなり、教官から「進路は好きなようにしていい。何をしたい」といわれる。そこでこんな会話があった。「教官です」「トップガンの?先が思いやられるな」。
あれから32年が経過。20代半ばの若者が50代となって続編に登場するので、役柄は”トップガンの教官”役とみられる。マーベリックと、かつての相棒で亡くなったグースの息子(マイルズ・テラー)との師弟関係も描かれるという。前作でマーベリックのライバルから親友となったパイロット、アイスマン(バル・キルマー)も再び登場する。
オリジナルの音楽「デンジャー・ゾーン」などの曲は続編でも聞かれるのか楽しみではある。
☆☆☆