「前編」は、14年前の「ロクヨン」を模した誘拐事件が発生したところで終了。
「後編」に期待がかかったが、あれもこれもと詰め込みすぎたのか、辛口で見ると、やや焦点がぼけた印象もある。
県警の刑事部長のポストをめぐって、県警の内部昇格と本庁からの横滑りの対立、県警内部の部門間の対立、県警広報とマスコミとの軋轢、警察内部の代々の隠蔽(申し送り)、模倣誘拐事件の動機と背景などが、怒涛のように明らかになっていく。主人公の三上広報官(佐藤浩市)の娘はどうなったのか、など全ての伏線が”回収”されるかというとそうでもなく中途半端。
・・・
松岡からなんとか承諾を得た三上は、松岡らが乗る捜査指揮車に乗り込み、情報を部下の諏訪(綾野剛)らに流していく。やがて捜査線上に、一人の人物が浮かび上がる・・・という展開。
犯人は誰かという推理を待つまでもなく、途中で犯人が割れてしまう。
ただ、その動機やプロセスが筆舌に尽くせぬものというのが見所となっている。
身代金の2,000万円を犯人からの指示とはいえ、あんなふうに処分してしまうというのはありえない。昭和の最後の年、電話ボックスが一定の役割を果たしていた。また、警察の指令室のカムフラージュのための偽装車の内部などは面白い。
マスコミも、地元ローカル紙のマスコミに対して、東京に本社のある新聞社などの上から目線の物言いなど、差別意識も根強いようだ。警察が得た情報を即マスコミに伝えるのではなく、そこに「時差20分」という鉄則がある、というのも面白い。県警など警察とマスコミの関係は、映画を見る限りは、敵対関係にあるような描き方だが・・・。
見ごたえのある映画ではあった。
「前編」121分、「後編」119分で、合計するとちょうど「4時間」。
4時間、映画館の椅子に座るのは大変であることから前・後編の公開となった。
☆☆☆
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