「ラスト・トリック」(原題:Last Will=遺言、2013)のタイトルのトリックという言葉に惹かれて見た。ネットで見たら、劇場未公開でDVDの販売のみだという。確かに2時間モノサスペンスという印象。Gyaoで配信中。
予備知識もなく映画を見始めたら、主演がテイタム・オニールだった!
テイタム・オニールは、父親のライアン・オニール(「ある愛の詩」)と共演した映画「ペーパー・ムーン」(1973)に9歳の時に出演。完全に父親を食ってしまったと言われ、アカデミー賞助演女優賞を、史上最年少の10歳で受賞、天才子役と言われた。その後も「がんばれベアーズ」(1976)などに主演。
どんな名優でも、子役と動物には勝てないと言われる演技の世界。大人の俳優を食うほどの熟した演技力を披露した子役は誰かということで、カナダのエンタメサイトWatch Mojoが「子役による最高の演技トップ10」を発表。1位は「ペーパー・ムーン」のテイタム・オニールだった。 80年代以降は作品に恵まれなかったようで、近年ドラマなどに復帰してきたようだ。
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10代前半のテイタム・オニールしか知らなかったので「ラスト・トリック」では、50歳になっており、時々10代の頃の面影があるが、アラフィフ女優という印象。タイトルから、何か最後にトリックがあるのかと思ったら、とくにはない。
アメリカ・カンザスシティという街で、金持ちで力を持っているエミリー一家の3兄弟の兄フランク・エミリーと結婚したヘイデン(テイタム・オニール) が、財産目当てだと、フランクの弟2人から様々な圧力をかけられる。
フランクは亡くなった父親から、最も信頼されており、大半の遺産を相続していたが、弟2人には荒廃した地区の不動産管理を任していた。フランクは、ヘイデンを心底信頼し、愛情を注ぎ、ヘイデンと平和な生活のスタートをきった。
弟2人は、 兄フランクが、ヘイデンに財産管理も任せると決めたことを妬み憎み、 兄をいつしかなきものにして、その妻ヘイデンを追い出そうと画策。
弟2人は、カネで判事、弁護士、カジノなどのディーラーなどを買収、フランクの泥酔状態の時に、遺産相続の書面に無理やりサインさせ、買収した女性弁護士を使ってフランクを死に至らしめる。その殺害をヘイデンに擦り付ける弟たちだった。
真相を知ったヘイデンの実兄は、ヘイデンとともに立ち上がるが・・・。
この映画を見ていると、悪人と善人がはっきりしている。
法律家までもカネと権力のあるものに従って、平然と賄賂をもらっているのが驚きだ。判事が、公平でなく、悪人の差金で、汚名を着せられたヘイデン側に不利益になるように対応。
判事の不正の証拠が発覚すると、「これまでのキャリア、財産、家族も全て無になった」と形勢逆転が待っていた・・・。
2時間サスペンス程度のデキだが、それなりに面白かった。
前半から悪人たちの悪事をこれでもかと見せつけられて、最後に逆転するところで、救いはあった。
刑事役のジェームズ・ブローリンは味わいがあった。
★★ (これ以上の☆はなし。)