「美女の皮をはぐ男」「姦婦の生き埋葬」といった怪奇・猟奇映画や「猫に裁かれる人たち」「ベルリンからの脱走列車」「潜水艦轟沈す」などもあるが、オムニバス映画の「接吻・接吻・接吻」(1963)という5人の新人監督が才能を競うという映画が目に付いた。
若い男女が、さまざまな動機と境遇のなかで、接吻(死語!)をするまでの5つの話を、5人の新人監督が競作した。
未見作品だが、内容を読むと見たくなる?(笑)。
■夏の接吻
夏のある日。ディアネと夫とその友人たちは、ヨット遊びに出かけた。人妻のディアネは、真面目で内気そうな青年エリックに興味を持った。将来は司祭になるのが希望という。ディアネは、友人と賭けをした。ヨットが夕方岸壁に帰りつくまでに少年を誘惑してキスをすることだ。船酔いを口実にして下船し、まんまと挑発に成功したかに見えたが、あわやというところでいろいろな邪魔が入り、夕方になり、賭けは失敗に終わろうとしたが・・・。船を降りる最後の数分間で、ディアネは、どんでん返し、逆転勝ちをやってのけた。
■裏切り(ユダ)の接吻(「裏切りのサーカス」なら知っているが・・・)
シルヴィは、ダンスホールにロベールを呼び出し、警察を張り込ませ、接吻を合図に、ロベールの逮捕を計ったのだが、シルヴィは気が変わり、別の男と接吻し、失敗させた。その後、シルヴィはロベールに射殺され、続いて飛び込んできた刑事に捕らえられた。ホールでシルヴィがわざと間違えた接吻の相手は刑事だった。シルヴィの深謀遠慮の作戦だった。
■高価な(賭けられた)接吻
退屈なパーティの席上、ジャックは美人のテルマとの接吻に百フランを友人と賭けた。妖しい魅力の持ち主のテルマは、大変な難物。ジャックは、なんとかしてテルマと話し合う機会を狙ったがうまくいかなかった。土壇場に来て、ジャックは、思い切ってテルマに全てを打ち明けると、同情もあってか意外にもテルマはすぐに接吻を許した。友人から得たお金の半分を、ジャックがテルマに渡したのは、パーティが終わり、別れる時だった。
■拾った接吻
発車時刻までだいぶある。アントワヌは、美しいアガータと知り合い、時間つぶしにシャンゼリゼの喫茶店に誘った。意外にもアガータはすぐに接吻させ、アントワヌは有頂天。だが、すばやくアガータの手は、アントワヌの財布をスリ取った。そして、次の接吻で、カラの財布を彼に戻す。時刻が迫り、彼は住所のメモ(メルアドではない!)を残して立ち去った。その後、ちょっと考えた彼女は男の金を封筒で送り返すようにボーイに頼み、明るい街に出て行った。
■十六歳の接吻
両親が旅行に出かけ息子ダニエルは、二日後に出かけることになった。ダニエルは友達のクロードとベルナールを呼び、彼らだけのアパートとなった。三人揃ってのガールハントも散々な失敗。やっと最後の日に、二人の女性を連れ込むことに成功。チビのダニエルは、ハンサムのクロードを出し抜いて、美人のほうの女性との接吻にまでこぎつけ、次の行動に移る直前、出発時間の数分前に気づき、外に飛び出した。
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1960年代のヨーロッパ映画は、シャレた映画も多かった。
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