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公演のためにロンドンを訪れたブロードウェイダンサーのジュリー(フレッド・アステア)が、同じホテルに滞在するモデルのトレモント・デイル(ジンジャー・ロジャース)に一目惚れ。一時は心を通じ合わせる二人だが、ジュリーのことを友人の夫だと勘違いしたデイルはベニスへ逃れ、当てつけにデザイナーのアルベルトと結婚してしまう。
あわてて後を追ったジュリーは何とかデイルの勘違いを説き、アルベルトとの結婚も司式の牧師が偽者であるために不成立となり、ハッピー・エンドとなる、といったストーリー。
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トップハットに燕尾服、ホワイトタイというエレガントなスタイルで、当時最高の作詞家・作曲家たちの手になるナンバーを歌い踊るアステアは、不況下のアメリカの大衆を熱狂させた。アステアとロジャースは、映画史上最高のダンシング・ペアとされ、二人の一連の主演作は「アステア=ロジャース映画」と半ば映画の一つのジャンル的な扱いをされている。
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映画の中で歌われるミュージカルナンバーは5つあるが、中でも、「頬寄せて」はアステア=ロジャースの名声を不朽のものにした佳品といわれる。
第5回アカデミー賞で作品賞などにノミネートされた。
ジェリー(アステア)がホテルの部屋で、タップダンスを踊っていると、部屋の真下の部屋のトレモント嬢が、うるさくて眠れないとクレームを言いに来る。ジェリーは、トレモント嬢を見るなり一目惚れ。「ひとりでいると発作的に踊りたくなる」と説明するジェリー。「とにかく静かにして欲しい」と言い残して帰ろうとするトレモント嬢に「(発作的な踊りを)治す方法は、誰かと抱擁するしかない」と口説きモード。
それに対して「警備員を呼んで、抱いてもらったら」(トレモント嬢)とさりげなくかわすのがいい。
アステアとロジャースの踊りが圧巻。20世紀最大の踊り手(タップダンサー)というのもうなずける。
”勘違い” ”思い込み”によるすれ違いドラマというハリウッドお得意の映画で、ハッピーエンドの結末も爽快。
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