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<span itemprop="headline">映画「ジェニイの家」(1936, 仏):マルセル・カルネ監督デビュー作。</span>

 

 
 
天井桟敷の人々」(1945)1作で、世界的な監督としての地位を不動にしたマルセル・カルネ監督の第一作が「ジェニイの家」(1936)だ。原題は「ジェニイ」(女性の名前)だが、”ジェニイの家”というのが、ラストシーンで効いてくる。
 
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ロンドンの劇場でリサイタルに出演した若く美しいダニエル(リゼット・ランヴァン)は、婚約していた青年から、婚約破棄を伝えられる。青年の富豪の両親がダニエルの身許を調査したところ芳しくなかったと言うのだ。
 
自尊心の強いダニエルはすぐにこの破約に同意した。そして6年振りでパリにいる母親・ジェニイ(フランソワーズ・ロゼー)の許へ帰る事にしたのだった。
 
娘から突然の電報を受けた母のジェニイは、喜びとともに何か胸騒ぎを感じた。
6年前に母は離婚し、ダニエルを音楽修業に出すために、内密でブノアと呼ぶ顔役の助けを借りて「ジェニイの家」というパリで有名なナイト・クラブを開いていたのだ。
 
そしてふとした縁で助けた若い自転車競走選手リュシアンを深く愛していた。
老いの見え初めた顔に華美な粧いを凝らし、年下の恋人に対する心がかりと経済上の破綻にジェニイは悩んでいた。
 
心の底で彼女を愛しているブノアは、リュシアンを遠ざける為に手下の「ラクダ」と呼ぶ男に二人の仲を割かせようとしていた。そしてリュシアンも女に養われている自分を不甲斐なく思って、何とか独立したいと思っていた。
 
そんな時にダニエルが帰って来たのである。母は娘のために上品なアパートを借り受け、本当の商売は打ち明けなかったが、娘は次第に母の態度に不審を抱き始めた。
 
ある夜、こっそり「ジェニイの家」を訪れた娘は、この夜の世界を見て自分の恋が破れた訳を知った。新聞広告にも「ジェニイの家」は”最高に楽しいところ”というキャッチフレーズで宣伝されていた。
 
やがてひょうなことからダニエルとリュシアンは知り合い、心に通うものがあった。お互いにジェニイの事を知らないまま愛し合う仲となり、新生活を夢見て二人で旅立つことになる。
 
リュシアンはブノアと言い争いでけんかをし、頭に重傷を負い、入院。
病院へ駆けつけたジェニイは、リュシアンの愛人が娘のダニエルである事を知ってしまうのだった。先ほど見舞って病院の隅に身を隠し、自分がリュシアンのことを思い続けていたことなど娘に知られたくはないジェニイは秘かに病院を逃れると、空虚と生活の疲労で身も心も疲れ切ってしまった。タクシーを止めて、行く先である唯一の自分の家「ジェニイの家」の名前を運転手に告げるのだった。
 

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ナイトクラブの”ジェニイの家”の歌手・フローレンス役の新人女優シルヴィア・バタイユ(写真)がかわいかった。
 
すでに女優として有名だったフランソワーズ・ロゼーは、「天井桟敷の人々」でも名演を見せた。マルセル・カルネの「天井桟敷の人々」は、 fpd生涯ベスト10の1本だ。カルネ監督の名作「嘆きのテレーズ」(1953)もいつか見てみたい。
 
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