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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「明日やること ゴミ出し 愛想笑い 恋愛。」(2010)</span>


 
奇抜なタイトルで、若手演技派女優の谷村美月が主演ということで映画「明日やること ゴミ出し 愛想笑い 恋愛。」(2010)を見た。
 
テレビ局のバラエティ番組の制作の裏側を入社3か月目の新人AD(アシスタント・ディレクター)・桜美散(さくら・みちる)(谷村美月)を通して描いている。日本テレビ吉本興業が制作した。お笑い芸人がかなり登場する。桂歌丸が、笑点の司会のように、若いADの物語を紹介していく。
 
 

 
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番組制作では、よくADさんなどと言われるが、ADといっても、”アシスタント”とつく役職名は、実際には雑用係に過ぎない。
 
テレビ好きのおばあさんに、番組の最後に自分の名前が出て、見てもらえるのを目的にテレビ局の制作部門にはいった美散(みちる)だったが、先輩社員の肩もみを強制させられたり、セクハラを受けたり、コピー取りなどの雑用が多く、何日も会社に泊まり込みするのも日常茶飯事。
 
そんな美散に声をかけてくれて、励ましてくれたのが入社15年のアシスタント・プロデューサー・堂本照子西田尚美)だった。 堂本は、落ち込む美散(みちる)に対して、お笑いで流行っているフレーズ”小さいことは気にしない。ワカチコ、ワカチコ”と言ったり、アントニオ猪木のモノマネをする芸人のセリフ「イチ、ニー、サン、元気ですかぁ」とポーズを作って励ますのだが、”微妙に違うんですけど”と思っても、口に出しては言えない。美散の仕事疲れを察して、堂本から美散にメールが。文面は、
「落ち込んでいるのが見えるぞ、飲みに行こう」だった。
 

 
屋台で、酔いつぶれるまで飲んだ美散。
きょうはとことん付き合うぞという堂本は、自分の家まで美散を連れて行く。
 
美散が目を覚ますと、東南アジアの服装を着せられ、部屋の中は、何やらアジア風の仏像や怪しい宗教色一色で、金ぴかの衣装を着た堂本が、眉間に「目」の形を書いていた。強引に美散に洗礼をさせようとして、銅像を300万円のところ50万円でいいと売りつけようとするのだった。
 
堂本が言うには、自分も入社したころは、まったく美散と同じ状況で、失敗の連続で、上司から怒鳴られる毎日だったが、半年間の休暇を取って、アジアを旅行した時に、これだとわかったのが、なんとかという仏像だったというのだ。その中に美散を引きいれようとして、近づき相談に乗っていたのだった。
 
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美散はテレビの制作局に入って、自分の目的である、番組の最後に自分のクレジットを載せて、おばあさんに見せることだったが、「堂本さんの目的は何か?」と聞くと、堂本もしどろもどろ。隙を見て逃げ出す美散。
 
落ち込む美散だったが、ふとしたことから、青い円盤(UFO)を目撃し、それをデジタルカメラで撮影したことがきっかけで、大スクープとして番組で取り上げられ、局内で
ディレクターに出世してしまう。そこからは、すべてがうまく回転していく。
 
スタッフに指示を出す、力強く成長して堂々とした美散の姿があった。
 
テレビ局のビルの29階にあるバラエティ局が主な舞台だが、そこで働く人たちが、変わり者が多く、とくに”お局さん”と言われる独身でアラフォーの一群がいて、ランチ時間になると”大名行列”を組んで行進するシーンは、まるで、財前教授の総回診(「白い巨塔」)のよう。
 
年齢不詳だが若くない女性が、グループでたむろしていると、松崎しげる本人)が現れ、年齢が暴露される。「おお、今度45年ぶりに小学校の同窓会に出よう」と言われてしまうのだ。「もう、お互いに還暦だもんな」。
 
一癖、ふた癖ある女性社員が多く、笑わせるが、”危ない”シーンもある。
 
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ラストシーンは、にやりとさせるエンディングも追加されていた。
それは、美散が入社間もないころ、ワゴンで弁当の残りを運んでいる姿と同じように、新人が慣れない様子で、不器用に運んでいる姿を目撃したからだった。
 
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この映画の撮影時、谷村美月は20歳。小学生で劇団に所属。2002年に12歳でドラマで女優デビューしているというから、現在23歳だが、10年以上のキャリアがあることになる。ドラマ出演は数多く、映画では「阪急電車 片道15分の奇跡」などが印象に残る。西田尚美は、現在放送中のテレビドラマ「ダンダリン」で、味わいのある演技を見せている。
 
気楽に見て、笑える映画だった。
 
★★
 
 
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