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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」(2007)</span>

 

 
腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」(2007)は、面白い。
タイトルで一歩引いていたが、評価が高いようだったので見た。
 
最初は、重苦しいなと思わせながら、最後には、自己中で威張り散らしている勘違い女に、大逆襲のしっぺ返し(どんでん返し)があって、あっと言わせる。
 
見ているものをいらだたせるような、女優を目指す勘違い女が、両親の交通事故死で戻ってきたのだが、家にいた兄夫婦、妹との騒動がすさまじい。
 
北陸(石川県)の山間部に住む田舎の家族の物語。
自分は女優としての才能があると思い込んでいる長女・澄伽(すみか)(佐藤江梨子)。その姉を漫画の題材にして描く内向的な妹・清深(きよみ)(佐津川愛美)。

家族を絶対視するが、後妻の妻にだけはつらく当たる短気な性格の兄・宍道永瀬正敏)。すべてを当然のごとく受け入れてしまう、お人よしの兄嫁・待子(永作博美)。
 
この4人が、バラバラ。
 
映画のオープニングで、黒い猫が一匹、車道のど真ん中に立ちすくんでいる。
車が通りかかったのだが、一瞬の出来事で、車輪の後は、血の海。乗っていたのは、老夫婦。突然の交通事故で両親が死んだのだ。
 
風もないような山間部のうだるような暑い葬式の日。女優を目指して上京していた長女、澄伽が4年ぶりに帰って来た。到着するなり、兄嫁に「3,600円」というのだが、これが当然のように、待たせてあるタクシー代を払えという始末。
 
妹の清深に辛く当るが、それは、4年前の出来事にさかのぼるのだった。上京に反対する父と口論になり、逆上した澄香はナイフで切りつけ、止めに入った兄の宍道永瀬正敏)の額に傷を残してしまう。それでも諦めない澄伽は資金作りのため同級生相手に売春をする。それを見てしまった清深が漫画に描き投稿して新人賞を得て、ホラー漫画誌に大々的に掲載されたのだった。
 
周囲の好奇の目から逃れるように、澄伽は村を脱出。自分が女優にまだなれないのは「変な漫画を描いてあたしをさらし者にしたせい」と妹を責めまくるのだったが・・・。
 
ストーリーがあまりにも悲惨で重苦しいが、最後には妹から姉への「痛快な」反撃があって、救われる。
 

 
主演の”サトエリ”こと佐藤江梨子は、イエローキャブ所属のモデル(173センチ)でスタイルがいいくらいの印象だったが、この映画では、嫌味たっぷりで、救いようがないほどいやな女を演じていてうまい。
 
永作博美は、天然ぼけのような役だが、なりきり演技がうまいのなんの!
 

 

重苦しい雰囲気の映画だが、おかしさも満載。
 
最後には、驚きの結末があって、すかっとした爽快感さえある。2007年度キネマ旬報ベスト10の10位。永作博美は、助演女優賞
 
タイトルが強烈だが、映画を見て、なんとなく意味も分かる(笑)。
 
随所に見どころがある。
 
見て損のない映画だ。
 
☆☆☆☆
 
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