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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「ヒューゴの不思議な発明」(2012)

ヒューゴの不思議な発明」 (Hugo)予告編
 
今年のアカデミー賞では「アーティスト」が「作品賞」など主要5部門を獲得したが、「ヒューゴの不思議な発明も「撮影賞」「美術賞」など主に技術部門の5部門を受賞した。
 
マーティン・スコセッシ監督(「タクシー・ドライバー」「ディパーテッド」)の初の3D映画ということだったが、3Dを見ようとしたら「3D版は吹き替え」のみで、字幕版は2Dであったので、3Dで見たかったが、泣く泣く?2Dで見た。こういうのを”帯に短し・たすきに長し”という(笑)。
 
1930年代のパリが舞台で、パリの街が雪景色で、まるで、時計の中のぜんまいの機械のように描かれるなど、映像に引き込まれる。3Dで見ればもっと奥行き感が感じられたと思うが、カメラは、群衆の中をかきわけ一気に奥へ奥へと進んでいく動きがまるで、観客が吸い込まれていくような印象だ。
 

 
ヒューゴ・カプレ(エイサ・バターフィールド)は父の影響で映画好きの少年。
時計職人だった父親(ジュード・ロウ!)が死に、駅の時計台の裏に住んでいる。父の残した「機械人形」に隠された秘密を解いていく様が描かれていく。

    劇中登場のロイド
子供の夢の冒険物語を描くスコセッシ自身が、子供のころに見た映画など、影響を受けたであろう映画(ハロルド・ロイドが大時計の針にぶら下がってハラハラさせる「ロイドの用心無用」など)が登場するが、主人公のヒューゴが全く同じ状況に直面するというのも面白い。    
 

  
 
上左:今はおもちゃ屋の頑固ジイだが ・・・。
上右: 時計の針にぶら下がり警察と犬から逃れようとするヒューゴ
上左:今はおもちゃ屋の頑固ジイだが ・・・。
上右: 時計の針にぶら下がり警察と犬から逃れようとするヒューゴ
 下左:絶対に逃がすなよ! 下右:ヒューゴとイザべラ
   
気難しいおもちゃ屋の老人、パパ・ジョルジュ(ベン・キングズレー)には、封印したい過去があったが、ヒューゴと交流するうちに、その過去が明らかになっていく。
 
その老人の養子である少女、イザベル(クロエ・グレース・モレッツ)は、ヒューゴの機械人形を動かす「鍵」を持っていたことから、子供たち二人の冒険の旅が始まる。                    
                                            
クロエ・グレース・モレッツは「キック・アス」で有名になったが、「ヒューゴの不思議な発明」でも、そのキュートなかわいさをみせている。
 

映画の発明の草創期に公開された映画(「月世界旅行」がかなり重要な部分を占めている)の一部(左写真)が登場する。
 
そのほか、機関車が観客の方に向かってくるシーンでは、観客は、自分たちに衝突するのではないかと大声を上げる・・・というのは、昔テレビが家庭にやってきたときに、テレビの中に人間が?(と思わないか。爆)というのと同じ感覚か。
 
機械人形(ロボット)が登場するが、この物憂げなロボットに隠された秘密というのが、なかなかしゃれている。見てのお楽しみ。
 
ヒューゴの不思議な発明」の上映前に、「アーティスト」の予告編があったが「アーティスト」も無声映画の時代の物語で、フランス映画。今年のアカデミー賞は、ノスタルジックな2作品が奇しくも賞を独占する形になった。
 
「ヒューゴ」は、手放しで最高という作品ではないが、映画に対するスコセッシ監督の思い入れが強く感じられる作品だ。
 
☆☆☆
 
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