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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">監督:深作欣二シリーズ②「蒲田行進曲」</span>




















蒲田行進曲」オープニング (再生不可はYouTube: https://youtu.be/b_71SNnBtAc
 

 
深作欣二監督シリーズ、第2弾は「蒲田行進曲」(1983)。
予告していた80年代の「あの」作品とは、この作品のことでした(笑)。
 

この映画のハイライトはなんといっても、”階段落ち”シーンで、この映画で、脇役の平田満が、主演の風間杜夫を完全に食ってしまったといわれた。大ファンだった松坂慶子(歌でも「愛の水中花」など、まだ脚線美があった!笑)が主演で、お気に入り映画の1本。
 
ストーリー:
ここは、時代劇のメッカ、京都撮影所。今、折りしも「新撰組」の撮影がたけなわである。さっそうと土方歳三に扮して登場したのは、その名も高い“銀ちゃん”こと倉岡銀四郎(風間杜夫)である。
 
役者としての華もあり、人情家でもあるのだが、感情の落差が激しいのが玉にキズ。こんな銀ちゃんに憧れているのが大部屋俳優のヤス(平田満)。ヤスの目から見れば銀ちゃんは決して悪人ではない、人一倍、仕事、人生に自分なりの美学を持っているだけだ。
 
ある日、ヤスのアパートに銀ちゃんが、女優の小夏(松坂慶子)を連れて来た。小夏は銀ちゃんの子供を身ごもっていて、スキャンダルになると困るのでヤスと一緒になり、ヤスの子供として育ててくれと言うのだ。
 
ヤスは承諾した。やがて、小夏が妊娠中毒症で入院するが、ヤスは毎日看病に通った。その間、ヤスは、撮影所で金になる危険な役をすすんで引き受けた。小夏が退院して、ヤスのアパートに戻ってみると、新品の家具と電化製品がズラリと揃っていた。
 
だが、それとひきかえにヤスのケガが目立つようになった。それまで銀ちゃん、銀ちゃんと自主性のないヤスを腹立たしく思っていた小夏の心が、しだいに動き始めた。
 
そして、小夏はヤスと結婚する決意をし、ヤスの郷里への挨拶もすませ、式を挙げて新居にマンションも買った。そんなある日、銀ちゃんが二人の前に現われた。
 
小夏と別れたのも朋子という若い女に夢中になったためだが、彼女とも別れ、しかも仕事に行きづまっていて、かなり落ち込んでいるのだ。そんな銀ちゃんをヤスは「“階段落ち”をやりますから」と励ました。
 
“階段落ち”とは、「新撰組」のクライマックスで、斬られた役者が数十メートルもの階段をころげ落ち、主役に花をもたす危険な撮影なのだ。ヤスは大部屋役者の心意気を見せて、なんとか銀ちゃんを励まそうと必死だった。
 
“階段落ち”撮影決行の日が近づいてきた。ヤスの心に徐々に不安が広がるとともに、その表情には鬼気さえ感じるようになった。心の内を察して、小夏は精一杯つくすのだが、今のヤスには通じない。
 
撮影の日、銀ちゃんは、いきすぎたヤスの態度に怒り、久しぶりに殴りつけた。その一発でヤスは我に帰った。撮影所の門の前で、心配で駆けつけた小夏が倒れた。
 
“階段落ち”はヤスの一世一代の演技で終った。小夏がベッドの上で意識を取り戻したとき、傷だらけのヤスの腕の中に、女の子の赤ん坊が抱かれていた(Goo)。
 
ラストシーンにどんでん返しが用意されていた。
スカッとした幕切れだった。
 
後味のいい映画は気持ちがいい。
 
第6回日本アカデミー賞をはじめ映画界の各賞を多数受賞した。角川映画はそれまで、メディアミックスなどで、大量宣伝により映画をヒットさせてきたが、「蒲田行進曲」は、口コミ中心で面白さが伝わり大ヒットしたといわれる。
 
松竹映画の名監督の野村芳太郎(「砂の器」)は、自分たち松竹映画の過去を象徴する「蒲田行進曲」というタイトルの映画を東映出身の深作欣二に撮られたことに憤り、4年後の1986年に自らプロデューサとして映画「キネマの天地」を企画・映画化した。しかし、これは「蒲田行進曲」にはかなわなかったな。
 
松竹撮影所も見学コースがあって、一度1990年代はじめに訪問したことがあり、「寅さん」などの人形が飾ってあったが、1990年代の半ばごろか、閉鎖されたのはさびしい限りだ。
 
京浜東北線の「蒲田駅」の発車メロディは「蒲田行進曲」のメロディが今でも使われている。映画が、その名残をとどめている例だが、影響を及ぼしていることがわかる。
 
他に、東京・山手線では、恵比寿駅は「第三の男」のメロディ、高田馬場は「鉄腕アトム」のメロディ・・・とそれぞれ当地にゆかりのある曲を使っている(詳細は、以前記事にしたことがある)。関連記事こちら: http://blogs.yahoo.co.jp/fpdxw092/31359561.html
 
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