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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「グラン・トリノ」(2008)</span>

今月79歳を迎えるクリント・イーストウッド

俳優としての映画出演は、この映画が最後といわれる。

監督としては、撮り続けるようで、”当たり外れのない監督”に
期待しましょう。


グラン・トリノ」を見てきた。





見ごたえのある映画だった。クリント・イーストウッドが脚本を気に入って、
内容も自身の年齢と重ね合わせても、これはイーストウッドの「今」にぴったりだった。

画面の一瞬一瞬から目が離せない。結末は、言わないほうがいい(笑)。

少年と老人の交流を描いた映画では、「ウオルター少年と、夏の休日」があった。
マイケル・ケインロバート・デュヴァルがともに70代で、茶目っ気たっぷりに
老人を演じていた。

グラン・トリノ」は、イーストウッドの俳優人生50年の集大成でなかったか。

結末は後で考えれば、これしかない、と思うが、かなり衝撃的だった。

素晴らしいエンディングだった。

映画の随所に、「あ、この格好(銃を構える姿など)は見たことがある」と思わせるシーンが
見られた。“ダーティ”ハリー・キャラハンだ!




とにかく、画面にイーストウッドが現れているだけでうれしくなる。

なにしろ、1960年ごろのTVシリーズ「ローハイド」の山田康雄の声とともによみがえる
カウボーイの時から見ているのだから。

その後、マカロニ・ウエスタンの咥えタバコとハットの独得のアウトロー・スタイル。
そして、はみ出し刑事のハリー・キャラハン(「ダーティ・ハリー」シリーズ)だ。

1980年代前半に、一度カーメル市長になったことがあり、政治に進んでいくのかと思ったが、2年で
辞めて映画に戻ってきた。

その後、俳優としてイーストウッドを見たのは、1993年の「ザ・シークレット・サービス
96年の「マジソン郡の橋」だった。いずれも老境に入っての味わい深い演技が印象に残る。

イーストウッドについては、別に詳しく紹介したことがある。お暇なかたは。
http://blogs.yahoo.co.jp/fpdxw092/56945208.html

さて「グラン・トリノ」は、シリアスなヒューマン・ドラマだが、ユーモアもたっぷり。

a funny scene from GRAN TORINO
(床屋シーンは、見られませんが、他の下の関連シーンは、見られるようです)

世間知らずの少年も、いろいろなことを学んでいく。

と同時に、ウオルト・コワルスキー(イーストウッド)も、まだまだ成長する・・・というわけだ。

ウオルトは、いつも、苦虫を噛んだような表情。

メイクかもしれないが、首筋あたりのしわくちゃで、どうみても、おじいさん(笑)。

“なにもかも気に入らん”という空気が、びんびんと伝わってくる。にくいほど、うまい。

しかし、なぜか、共感できる。

おへそにピアスをつけた孫娘。財産目当ての息子たち。近所は、わけのわからない
イエローの“米喰らい人種”たち・・・。

“遠くの親戚より近くの他人”・・・とはよく言ったものだ。

息子らは遠くに住んでいて、親父の遺産(家、土地ほか)目当て。

「ホテルのような、なにからなにまで世話をしてくれる施設」のパンフレットを持ってきた
りする(笑)。これには、コワルスキーも堪忍袋の緒が切れて・・・。

コワルスキーの心境の変化もうまい。

教会の牧師は27歳の若造と見て、「なれなれしく、ウオルト(ファーストネーム)と呼ぶな」と
言いながら、最後には、“ウオルト”でいい・・・というあたり。

孫娘が、おじいさんのウオルトがちょっとしたことを言うと、「ムカつく!」と何回も(笑)。
普通、孫はかわいいというが、親からそうだから、ウオルトが苦々しく思うのは納得。

この映画については書きたいことは、山ほどあるが、書けません(爆)。

今年前半は、もう洋画はいいかな、と思うくらい、映画のエッセンスを詰め込んだ、
「ステーキと寿司の大トロ」を食べたような満足感だ!

☆☆☆☆