香川京子は「東京物語」で、原節子さんと親しくなったり、監督が「あまり、いつも笑顔をみせないほうがいいよ」とぽつりと言ったエピソードなど、興味津々な内容が盛りだくさん。「人間は、うれしいときだけ笑うとは限らない。苦しいときも笑う」という意味が、後で理解できた・・など。
「山椒大夫」
「山椒大夫」(1954)に出演したエピソードも、撮影の裏話が次から次へと。出来上がった映画でしかわからないが「山椒大夫」は、溝口監督が三年がかりで打ち込み、決定台本を出すまでに七回ほど改定した話、さらに水の中に入るシーンでは、撮り直しができない中、一回でOKとなり「香川君、風邪をひいてくれるなよ、ご苦労さん」といういたわりの言葉を監督からもらった・・など。体験した人の話は、重みがあります。
日本の名作の裏話や、当時の俳優、監督の様子が目に浮かんで、しばらく釘付けになりそうです。
追加:香川さんがベネチア映画祭に出席のためでかけた際に、あのキャサリン・ヘプバーンが「旅情」撮影で来ていて、会ったとか、米国の大女優のグロリア・スワンソン(「サンセット大通り」)、イタリアのジーナ・ロロブリジーダにも会ったとか、すごいです!。
すごい時代でしたね。