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<span itemprop="headline">1960年代(35)「野獣たちのバラード」(1965)</span>

「野獣たちのバラード」(1965、ロシア映画

1971年に、劇場で観た(有楽町・丸の内東宝

長い間、スターリンによる牢獄独裁政治に苦しんできた旧ソ連による、
ヒトラー及びナチスの記録映画。副題は「ありふれたファシズム
(あえてナチスだけの問題と特定していない)。 ナチスが暴略を尽くした
その現象よりむしろ、それに関係させられた(特に加害者側)の人間の描写に
力を入れたものとなっている。当時の記録フィルムに残された、ナチ演説を聞く
聴衆の表情を冷静に分析する姿勢などは、政権批判などはタブーだった旧ソ連
映画人たちによる、精一杯のスターリン批判ともいえるドキュメンタリー
映画といえる。




鑑賞時のメモ書き:

ナチス・ドイツの残虐性を描く。この時代のドイツ国民は、
ヒトラーを「神」とあがめまつり、まさに「野獣」と化した。人間としての
権利などをすべて放棄したのだ。ユダヤ人の大量殺害(400万人)、女、子供まで
含めて目覚めたときにはすでに遅かった。
しかし、もう一つのドイツがあったことも事実。ヒトラーに対して「ノー(Nein)」
と主張した人々もいたという事実である。彼らの目は輝いていた。独裁政治の
恐ろしさ―ドイツだけが正しいとする考えが生まれたときから悲劇が
始まったのだ。二度と繰り返しては、ならない。」