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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「自転車泥棒」(1948) イタリア映画の名作。

 「自転車泥棒」・・・あまりにも有名なイタリア映画。

 

 昔々、テレビで一度観ていますが、ほとんど物語の記憶がなく、昨日(16日)祝日で
 あらためて観なおしました。

 

 イタリアのネオリアリズムの最高傑作といわれるだけあって、今見ても
 見ごたえはあります。

 

 監督はヴィットリオ・デシーカ。
 
 いまやお気に入りの「ひまわり」(1970)をリアルタイムで観て以来、デシーカ
 作品をさかのぼってみました。
 
 印象に残るデシーカ作品は・・・ 
 
 ①「ひまわり」(戦争による悲劇の別れ。ソフィア・ローレンに泣かされました)
 ②「終着駅」(年上のひと、ジェニファー・ジョーンズの美しさ)
 ③「悲しみの青春」(ドミニク・サンダのクール・ビューティ!)
 ④「昨日今日明日」(ソフィア・ローレン、マストロヤンニの絶妙コンビのオムニバス3話)
 ⑤「自転車泥棒」(ドキュメンターリータッチの父と子の哀しみとバイタリティ)

 

 

 

 「自転車泥棒」は、2年も待ち続けた
 職安から仕事があると伝えられた
 アントニオ・リッチ一家の話。
 仕事の条件は、自転車があること。

 

 実は、一家は、生活の足しにと自転車を
 質に入れていたのだ。
 
 それは、言えないので、「あります」
 と答えるアントニオ。

 

 事情を妻のマリアに伝えると、
 マリアはだまって、シーツ6枚などを、
 質入れし、利息分のお金を捻出し、
 自転車をとりもどすことができた。

 

 はしごを自転車で運びながら、
 ポスター貼りが仕事だった。
 

 

 しかし、ちょっとしたすきに、自転車を
 盗まれてしまう。

 

 自転車がなくては、仕事を断念しな
 ければならないので、友人、息子と
 町中を捜し歩く。警察に被害届けを
 出しても、「自分で探すしかない」と
 諭される。

 

 息子のブルーノと、大変なときこそ、せめてなにかおいしいものを
 食べて元気を出そうとレストランに入る。

 

 ブルーノがまわりを見ると、裕福そうな家族がおいしいご馳走を
 食べている光景が目に映る。

 

 父親のアントニオは、自分に言い聞かせるように、つぶやく。
 「何とかなるさ。生きていれば!」

 

 マリアが、通っていた占い師のもとを訪ねてみる。
 マリアは、夫の仕事が見つかったのも占い師のおかげだといっていたからだった。

 

 占い師に、自転車が盗難にあったことを告げたが、占い師の言葉は
 「すぐ見つかるかもしれない。絶対に見つからないかもしれない」
 と、どっちともとれる(いいかげんな)占い。うんざりして、
 支払いを済ませて、再び自転車探しに街を歩く親子。

 

 あるとき、アントニオは、ある自転車が目に飛び込んでくる。
 これがあれば、生活は何とかなると、逡巡するアントニオ。
 一瞬、魔がさして、自転車を盗んでしまう行動に出る。
 その瞬間を持ち主に見られ、大勢の人に追いかけられ、
 取り押さえられてしまう。

 

 警察官(上級職であろう)がやってくる。
 アントニオを見つめる息子に気づく警察官。
 この親子の関係などに思いを馳せたのか、今回は
 見逃すことにするよ、恩情の一言。

 

 後悔の念と、警察官のひとことで救われ、涙ぐむアントニオ・・・。

 

 物語自体に新鮮味はないが、イタリアの庶民の生活、まじめさ、
 ひたむきさなどが胸を打つ。全体を貫く音楽も、なかなか印象的だった。

 

 その後の「鉄道員」「刑事」「ブーべの恋人」などのイタリア映画の佳作に
 通ずる、あるいは影響を及ぼした映画かもしれない。
 
 

 

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