「ボッカチオ’70」〈1962、イタリア)のDVDをレンタル店で見つけた。
なかなか、この種の映画は見当たらない。1960年代のイタリア映画、フランス映画は
見逃した作品や、再見したい作品が多い。
「ボッカチオ’70」は、1972年にテレビでみた時は、第1話のマリオ・モニチェッリと3話のヴィスコンティのパートはカットされていた。ということで、未見だったパートを見ることができる。イタリアの艶笑喜劇は面白い。
(2007年の記事で、9年も前になる。)
今回のディスクには「HDリマスター版」とあり画像はいいのだろう。
しかしパッケージを開いてみて驚いた。ディスクが2枚組だった。
なんと映画は「204分」ものだった! 3時間24分!
これは見るには気合が必要だ。
まあ、オムニバスなので、1話のストーリーと次の間に「トイレ休憩」はできるだろう。
映画館ではそうはいかないが。女優陣が豪華で、アニタ・エクバーグ、ロミー・シュナイダー、ソフィア・ローレンなどが出演している。
オリジナルな4篇は以下の通り。
■第1話: 「レンツォとルチアーナ」(Renzo e Luciana) 監督・脚本マリオ・モニチェリ。音楽ピエロ・ウミリアーニ、主演マリサ・ソリナス、ジェルマーノ・ジリオーリ。
■第2話: 「アントニオ博士の誘惑」(Le tentazioni del dottor Antonio) 監督・脚本フェデリコ・フェリーニ、音楽ニーノ・ロータ、主演ペッピーノ・デ・フィリッポ、アニタ・エクバーグ
■第3話: 「仕事中」 (Il lavoro) 監督・脚本ルキノ・ヴィスコンティ。
音楽ニーノ・ロータ、主演ロミー・シュナイダー、トーマス・ミリアン、パオロ・ストッパ
■第4話: 「くじ引き」(La riffa) 監督ヴィットリオ・デ・シーカ。
映画は、ほとんどの国で150分前後の「3話構成」で公開されたという。
モニチェリ監督による第1話は、イタリアの配給会社チネリッツの社内に存在するだけであった。モニチェリに連帯、配給側の政策に抗議し、ほかの3人の監督たちも第15回カンヌ国際映画祭の作品プレゼンテーションへの不参加を表明。のちに日本で発売されたビデオ版、1998年の劇場公開版では4篇そろった完全版だったという。
「オムニバス映画」の面白さを知ったのは、ソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニの黄金コンビ「昨日・今日・明日」〈1963)。
ブリタニカ国際辞典によると、「オムニバス映画」とは、厳密な意味では一個人の原作なり創作による数編の短編を集めた映画のことで、エドガー・アラン(E.A.)ポー原作の「世にも怪奇な物語」( Histoires extraordinaires 、1968) や黒沢明監督の「夢」 (1990) がその適例、とあった。
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オムニバス(omnibus)は、元々、ラテン語で「すべての人のために」を意味する語で、1826年以降にはそこから派生して「乗合馬車」の意味も加わったと言われる。公共交通機関のバス(bus、英語)の語源にもなった。
そこから発展し、種々の芸術分野で「独立したいくつかのものを一つにまとめた」作品形態を指すようになった。
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「電車などではなく、おもにバスに乗る人」もまんざら洒落ではなく、バスつながりではある。韓国では「オモニ」は母親のこと。できること以上の仕事を頼まれるのは「重荷(おもに)」。
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