「リタ・モレノ: 私は進み続ける」（原題：Rita Moreno: Just a Girl Who Decided to Go for It、2021）を見る。92分。原題のGo for Itは挑戦するといった意味。
「ウエスト・サイド物語」のリタ・モレノが直面した、ハリウッドの悪質な人種差別や性的虐待について語るドキュメンタリー。
このドキュメンタリーを見ていると、今から思えば、セクハラ、人種差別、栄光と挫折（仕事がなく引退同然の時期もあった）、など様々な困難を乗り越えてきたことがわかる。特に、マーロン・ブランドから虐待を受けていたというのは驚きだった。
本人や関係者へのインタビューと共に描かれる、まさに波乱万丈の人生。
90歳を過ぎた今なお現役で輝き続けるリタがいかにして道を切り開いていったのか、見ているだけで勇気づけられる１本。ちなみにリタ・モレノは1931年12月11日生まれで、あすで満92歳。
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リタ・モレノは、プエルトリコのウマカオ生まれ。5歳で母親とともにニューヨークに移る。13歳の時にブロードウェイの舞台に初出演し、ハリウッドのスカウトに注目される。
モレノの初期の作品には、古典的なミュージカル映画「雨に唄えば (1952) と「王様と私」 (1956) に脇役で出演。
「ウエスト・サイド物語」（1961）で、楽曲のひとつ「アメリカ」では「（自身の出身地でもある）プエルトリコ～私の故郷～」と圧倒的な歌唱力で歌い上げ、アカデミー助演女優賞及びゴールデングローブ賞助演女優賞を受賞。
アカデミー賞授賞式では、オスカー像を受け取って、スピーチで言葉がでず「驚いた」といった短い言葉で壇上をあとにした。
史上最も短いスピーチと言われている。ジュディー・ガーランドなどがノミネートされていて、受賞するとは思っていなかったので、スピーチなど考えてもみなかったという。
そして、この映画の後、7年間ほど作品に恵まれずに不遇の時代を過ごしている。
モレノは、ハリウッドの黄金時代に生き残った最後のスターの一人。
モレノの多くの栄誉の中でも、エミー賞、グラミー賞、オスカー賞、トニー賞 (EGOT) を受賞した数少ないパフォーマーの 1 人。4つのエンタメ賞すべてを受賞した女優としてギネスブックにも載っている。ラテン系女優としてはただ一人。
テレビでの活躍が多く、子供向けテレビシリーズ「ザ・エレクトリック・カンパニー」（1971年～1977年）のキャストメンバーであり、HBOシリーズ「オズ」（1997年～2003年）ではシスター・ピーター・マリー・レイモンドを演じた。
1977年の「マペット・ショー」と1978年の「ロックフォード・ファイル」での役柄で2年連続プライムタイム・エミー賞を受賞。
1996年、64歳の時に「ハリウッド・ウォーク・オブ・フェーム」の☆（星）を得て殿堂入りを果たしている。星形のプレートに名前が刻まれている。
その他の栄誉としては、2004 年に大統領自由勲章、2009 年に国家芸術勲章、2013 年に映画俳優組合（SAG)生涯功労賞、2015 年にケネディ センター名誉賞、2019 年にピーボディ賞などを授賞。
1970年代以降は、テレビ出演が主になっている。1971年から1977年にはPBSの子供番組ジ・エレクトリック・カンパニーに出演し、いろいろな役を演じた。特に Millie the Helper 役が有名で「ヘイユーガイズ！」の叫び声は番組のオープニングに使われている。
「Netflix」で鑑賞。
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