映画の歴史を通して、アフリカ系アメリカ人の俳優が、映画産業を形作り、障壁を打ち破り、将来の世代のアーティストへの道を開く上で重要な役割を果たしてきたという記事があった。
記事では、銀幕に永続的な影響を与えた先駆者を認め、祝うことが不可欠という観点から、史上最も影響力のある15人のアフリカ系アメリカ人俳優のキャリアを掘り下げ、映画業界への貢献と、ハリウッドでの表現と多様性の重要性を強調している。亡くなってしまったレジェンド俳優や、現役バリバリの俳優などが入り混じっているが、名前と主要作品のみ挙げる。
シドニー・ポワチエ(左)とモーガン・フリーマン(2011年)
■シドニー・ポワチエ
シドニー・ポワチエは、ハリウッド史上、アフリカ系アメリカ人として最も影響力のある俳優の一人として称賛されている。「野のユリ」(1963)でのパフォーマンスでアカデミー賞主演男優賞を受賞した最初のアフリカ系アメリカ人として、ポワチエは人種の壁を打ち破った先駆者であった。
主な作品には「手錠のまゝの脱獄」(1958)「いつか見た青い空」(1965)「招かれざる客」(1967)「夜の大捜査線」(1967)などがある。昨年(2022年)1月6日に亡くなった(94歳没)。
■デンゼル・ワシントン
40年以上にわたるキャリアを持つデンゼル・ワシントンは「遠い夜明け」(1987)「グローリー」(1989)「マルコムX」(1992)などの演技で数々の賞にノミネートされ「トレーニングデイ」(2001)ではついにアカデミー賞主演男優賞を獲得。
このほか「インサイド・マン」(2006)「フライト」(2012)「イコライザー」(2014)「マグニフィセント・セブン」(2016)などの代表作がある。
■モーガン・フリーマン
モーガン・フリーマンは、印象的な声と圧倒的な存在感で、最も有名で愛されている俳優の一人となった。
「ドライビングMissデイジー」(1989)「ショーシャンクの空に」(1994)「セブン」(1995)「ディープ・インパクト」(1998)「ミリオンダラー・ベイビー」(2004)などのパフォーマンスで圧倒。「ミリオンダラー~」ではアカデミー賞助演男優賞を受賞。
このほか「インビクタス/負けざる者たち」(2009)「エンド・オブ・ホワイトハウス」(2013)「グランド・イリュージョン 見破られたトリック」(2016)などがある。
■ハル・ベリー
「ジャングルフィーバー」(1991)でデビュー。2001年「チョコレート」でアフリカ系アメリカ人として初めてアカデミー主演女優賞受賞の快挙を成し遂げ、ハリウッドの有色人種の女性の先駆者の地位を固めた。
2002年公開の「007 ダイ・アナザー・デイ」ではボンドガールを務め、大きな話題となり、この年のアカデミー賞授賞式のプレゼンターを務めた。
他の注目すべき作品には「X-メン」(2000)「ソードフィッシュ」(2001)「パーフェクト・ストレンジャー」(2007)などが含まれ、さまざまなジャンルで多様性と才能を示している。
■ウィル・スミス
テレビのシットコム「ベルエアのフレッシュプリンス」(1990-1996)での初期の頃から「独立記念日」(1996)「メン・イン・ブラック」(1997)「アリ」(2001)などの映画での大ヒットの成功まで、ウィル・スミスは俳優としての彼の多様性と世界的な魅力を証明してきた。
こちら”ビンタ事件”番外編
2021年の「ドリーム・プラン」でアカデミー賞主演男優賞を受賞。
このほか「アイ、ロボット」(2004)「アイ・アム・レジェンド」(2007)「7つの贈り物」(2008)「ハンコック」(2008)などがある。
「ミッション・インポッシブル/フォールアウト」
アンジェラ・バセットは「TINA ティナ」(1993)「ため息つかせて」(1995)「ブラックパンサー」(2018)などの映画で、存在感を見せた。バセットの演じる強くて複雑なキャラクターを描く才能は、次世代のアフリカ系アメリカ人女優のロールモデルとなっている。
このほかでは「エンド・オブ・ホワイトハウス」(2017)「ミッション・インポッシブル/フォールアウト」(2018)などがある。
■サミュエル・L・ジャクソン
キャリアの中では、クエンティンタランティーノなどの有名監督とのコラボで忘れられない演技を見せている。
「パルプ・フィクション」(1994)「ダイ・ハード3」(1995)「ジャッキー・ブラウン」(1998)「スターウォーズ」の新三部作(1999-2005)などが代表作。
このほか「交渉人」(1998)「シャフト」(2000)「アイアンマン」(2008)「アベンジャーズ」(2012)など。
■ウーピー・ゴールドバーグ
コメディ、ドラマ、演劇など幅広い分野のエンターテインメント業界で最も熟練したアーティストの一人。ゴールドバーグのEGOTステータス(エミー賞、グラミー賞、オスカー賞、トニー賞受賞者)で、さまざまな媒体でその才能を証明してきた。
最も記憶に残る作品では「カラーパープル」(1985)「ゴースト/ニューヨークの幻」(1990)「天使にラブ・ソングを…」(1992)「スタートレック ジェネレーションズ」(1994)などがある。
このほか「ザ・プレイヤー」(1992)「メイド・イン・アメリカ」(1993)「エディー 勝利の天使」(1996)「17歳のカルテ」(1999)など。
■フォレスト・ウィテカー
変革的な役割と強力なパフォーマンスは、そのキャリアを通じて数多くの称賛を得ている。注目すべき作品には「バード」(1988)、アカデミー賞主演男優賞を受賞した「ラストキング・オブ・スコットランド」(2006)、および「大統領の執事の涙」(2013)がある。
このほか「パニック・ルーム」(2001)「フォーン・ブース」(2001)「ラストスタンド」(2013)「ブラックパンサー」(2018)など。
ウィテカーは俳優としての演技に加えて、監督とプロデュースにも挑戦し、ストーリーテリングへの情熱をさらに示している。
■ヴィオラ・デイビス
ヴィオラ・デイビスはハリウッドの先駆者のひとりであり「フェンス」(2016)ではアカデミー賞助演女優賞を受賞。
「マ・レイニーのブラックボトム」
代表作には「ダウト〜あるカトリック学校で〜」(2008)「ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜」(2011)「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」(2011)「プリズナーズ」(2013)「マ・レイニーのブラックボトム」(2020)などがある。
カリスマ性と多才で才能あるアーティストとしての地位を確立しているエルバは「ワイヤー」(2002-2004)「ルーサー」(2010-2019)「マイティ・ソー」(2011)「プロメテウス」(2012)「パシフィック・リム」(2013)「ビースト・オブ・ノー・ネーション」(2015)「ダークタワー」(2017)などがある。
■タラジ・P・ヘンソン
2008年公開の「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」でアカデミー助演女優賞にノミネート。
「幸せの教室」(2011)「ドリーム」(2016)「プラウド・メアリー」(2018)などで、多才なキャラで幅広く活躍。
■チャドウィック・ボーズマン
映画業界に永続的な遺産を残し、2020年に亡くなった(43歳没)。注目すべき作品には「42~世界を変えた男~」(2013)、主演の「ブラックパンサー」(2018)など。
「マ・レイニーのブラックボトム」(2020)でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされる。ほかに「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」(2018)「21ブリッジ」(2019)など。
アカデミー賞助演女優賞を受賞した「ヘルプ~心がつなぐストーリー~」(2011)「ドリーム」(2016)、「シェイプ・オブ・ウォーター」(2017)などでの受賞歴のあるパフォーマンス。献身と勤勉で成功につながることを証明。
■マハーシャラ・アリ
アカデミー助演男優賞(テレビドラマ部門)受賞の「ハウス・オブ・カード」(2016-2016)「ムーンライト」(2016)「グリーンブック」(2018)でのアカデミー賞助演男優賞と同部門で2度目のオスカーを受賞。
「グリーンブック」では、その圧倒的な才能と幅広い演技で注目。
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以上は先駆者のシドニー・ポワチエから、現在活躍する俳優たちだが、この15人以外にも、思いつくまま挙げると何人かいる。
■ジェームス・R・ジョーンズ…「ボクサー」(1970)「レッド・オクトーバーを追え!」(1990)
■リチャード・ラウンドツリー…「黒いジャガー」シリーズ
■エディ・マーフィー…「ビバリー・ヒルズ・コップ」シリーズ、「星の王子 ニューヨークへ行く」「ドリームガールズ」
■ジェイミー・フォックス…「ALIアリ」「コラテラル」「Ray/レイ」「リームガールズドリームガールズ」「ANNIE/アニー」「ベイビー・ドライバー」
■ローレンス・フィッシュバーン…「キング・オブ・ニューヨーク」「マトリックス」「マン・オブ・スティール」
■キウェテル・イジョフォー…「キンキーブーツ」「アメリカン・ギャングスター」「それでも夜は明ける」
■ダニエル・カルーヤ…「ボーダーライン」「ゲット・アウト」「ブラックパンサー」
■オマール・シー…「最強のふたり」「X-メン:フューチャー&パスト