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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「袋小路」(原題:Cul-de-sac、1966、日本公開1971)を見る。ロマン・ポランスキー監督の長編3作目。

袋小路」(原題:Cul-de-sac、1966、日本公開1971)を見る。ロマン・ポランスキー監督による長編3作目となるイギリスのサイコスリラー。第16回ベルリン国際映画祭では金熊賞を受賞した。

古城に住む年の離れた奇妙な変人夫婦のもとに、腕にケガをしたギャングがやってくるがこれも変人で、客としてやってくる一行も変わった人物という変人オンパレードによるひと騒動を描いたサイコスリラー。

出演は「大脱走」で書類偽造屋を演じた個性派俳優ドナルド・プレザンスのほか、カトリーヌ・ドヌーブの姉で「ロシュフォールの恋人たち」のフランソワーズ・アルヌール、「死刑執行人もまた死す」のライオネル・スタンダーなどで、セリフは少ないがこれがデビュー作と言えるジャクリーン・ビセットが出演している。

<ストーリー>

仕事に失敗し右手を負傷したギャングで容貌怪異な大男リチャード(ライオネル・スタンダー)は、気弱そうな相棒のアルビーを乗せた車が故障したため、車を押しながら浜辺を歩いていた。

アルビーは腹部を撃ち抜かれており、脂汗をかく彼は背中が痛いと弱音を吐く。リチャードはボスのカトルバックへ助けを求めるため、アルビーと車を置いて電話を探しに向かった。

電柱を辿って歩いたリチャードは、浜辺を抜けた先に古城を発見。彼は城の側のビーチに横たわる若い男女が去ったのを見計らい城内へ侵入。すると、先程の男女が戻って来た。そのほかにも複数人の話し声が聞こえ慌てて鶏小屋へ身を隠した。

若い女テレサフランソワーズ・アルヌール)と言い、城を買い取った男・ジョージ(ドナルド・プレザンス)の妻だった。

テレサと戯れていた若い男はクリストファー(イェーン・クォーリア)という客で、引越し祝いにやって来たジョージの友人夫婦の息子だった。

クリストファーの両親はジョージに挨拶をすると、次の日曜日にまた来ると言いボートで帰って行った。リチャードは一部始終を盗み見ていたのだが…。



・・・
古城に住む夫婦の仲が突如訪れた野蛮な男により切り裂かれていく様子をコミカルにブラックも含めて描いていると思うと面白い。ジョージを演じるドナルド・プレザンスの怪演ぶりがいい。

ジャクリーン・ビセットは、エキストラで出演した直前の映画を除けば、実質デビュー作。のちに「ブリット」(1968)でスティーブ・マックィーンの妻役などでブレイクする前のビセットを見られるのは貴重。サングラスをかけているが、美貌の片鱗が見える。セリフも二言三言しかないが、古城を訪問する一行の中にあって、城の中を何気なく観察している様子。

ポランスキー自身が”袋小路”に入ったような、ハチャメチャなシーンも多い。鶏小屋を壊して鶏が庭で動き回る中で昼寝をしたり、若妻が夫に女性のネグリジェを着せたり、ライフル銃を使い方もわからず乱射したり、闖入者の足の指にチラシを折って挟み、マッチで火をつけたり…。

海水の満潮により、車が沈むシーンは圧巻。音楽もいい。

<キャスト>
■ジョージ(ドナルド・プレザンス
ロブ・ロイ・リンディスファーン島にある、作家ウォルター・スコットの古城を買い取ったスキンヘッドの中年男性。元々持っていた工場を手放し、城の購入で全財産を使い果たした。年の離れた若い妻テレサと共に引っ越すが、結婚10ヶ月目の新婚生活は上手くいっていない。離婚歴があり、自称戦争の英雄。
テレサフランソワーズ・ドルレアック
ジョージと結婚10カ月目の若妻。フランス人。彼を訪ねて来た友人夫婦の息子クリストファーの方が歳が近く、ジョージに隠れて二人きりになったりしている。ジョージのことは甘く見ており、日常的に軽蔑的なな態度を取る。自家製のウォッカを作っては友人らへ振る舞う。
■リチャード / ディッキー(ライオネル・スタンダー)
ギャング。仕事に失敗して負傷し、腹部を撃たれた相棒アルビーを助けるためにジョージの城に辿り着いた。ジョージとテレサを脅し、仲間が助けに来るのを待つ。
■クリストファー(イェーン・クォーリア)
古城の近くに住む青年。時々城を訪ねてくるジョージの友人夫妻の息子で、若妻テレサとときどきあっている様子。
フェイザー氏(ロバート・ドーニング)
落ち着きがあり裕福そうな人物。古城を時々訪ねる。
フェイザー氏の妻(マリー・キーン)
フェイザー氏の妻。ジョージに対して、妻テレサの態度が許せず、売春婦呼ばわりする。
■ニコラス(トレヴァー・ドラニー)
プレイボーイ風の男。
■ジャクリーヌ(ジャクリーン・ビセット
ニコラスの連れの女。常にサングラスをかけている。

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