高崎駅前
近代的・モダンな高崎芸術劇場
第35回高崎映画祭の授賞式が3年ぶりに開催され、出席した。参加者は約700人。会場は高崎芸術劇場。座席が最後列の端のほうだったので、舞台からは一番遠い席で、映画監督、出演俳優の表情などは大型スクリーンでみるしかなかった。
映画祭実行委員会委員長、高崎市長などが冒頭で挨拶した。
「高崎映画祭」はもともと、映画好きの1人の一般サラリーマンが立ち上げた「手作りの映画祭」だったが、行政、企業など地元が支援する機運が高まり、いまでは年間70作品もが高崎でロケが行われるまでになり、映画祭は35回目を迎えるまでに拡大発展してきた。ローカルの映画祭としてはヨコハマ映画祭と並ぶ規模と評価を得ているという。
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さて、授賞式。昨年後半から今年にかけて、世界の賞を席巻している勢いの「ドライブ・マイ・カー」の監督・俳優は、本場アカデミー賞を2日後に控えているので、出席は無理だろうと諦めていたが、西島秀俊、岡田将生はビデオ・メッセージ、「偶然と想像」で最優秀監督賞を受賞した濱口竜介監督は、なんとリアルタイムでロサンゼルスとオンライン中継で繋がり、盛り上がった。
日本とロサンゼルスは15時間の時差があり、授賞式の模様はロサンゼルスでも見ていたという濱口監督がスクリーンに現れたのは、なんと深夜の2時くらい。睡魔と闘いながらも「みなさんとの仕事は楽しかった。授賞者のスピーチに感動した」と語っていた。
同じく最優秀監督賞の春本雄二郎監督は、3年前に登壇したときは、先頭バッターだったので、次の人の時間も考えて手短に話したところ、自由にしゃべっていいということを後から知り悔しかったので「今回は、長くなります(笑)」と、監督としての映画への向き合い方、映画を通して伝えられる可能性について持論を展開した。
また「東京のような都会的なビルがある一方、郊外にはや川、山などの自然があり、多面的な顔がある高崎でなければ、映画は完成しなかった」として、ロケ地の提供など協力などに感謝した。
「いとみち」で同じく最優秀監督賞の横浜聡子監督は「12,3年前に松山ケンイチ主演の”ウルトラミラクルストーリー”に続いての高崎映画祭の参加で、また高崎映画祭に呼んでもらえるよう、健やかで力強い作品を作りたい」と語った。
出演俳優では「偶然と想像」で最優秀主演俳優賞の占部房子と河井青葉のほか「あのこは貴族」で最優秀助演俳優賞の水原希子、「いとみち」「偶然と想像」で同賞の中島歩、「いとみち」の駒井蓮、「茜色に焼かれる」の片山友希と和田庵、「由宇子の天秤」の河合優実らもあいさつした。
中でも水原希子は「ノルウエーの森」で注目されたが、意外と長身(168センチ)で驚いたが、女優のオーラがあった(写真の一番右)。
俳優というと華やかに見えるが、声がかかってなんぼの世界で、コロナ化などで撮影が中断したり、なかなか出演の機会がないなど大変な職業だ。監督などとのワークショップで演技を磨いているという声も聞かれた。
最優秀賞受賞は以下のとおり。
最優秀監督賞:横浜聡子監督(「いとみち」)
最優秀監督賞:春本雄二郎監督(「由宇子の天秤」)
最優秀主演俳優賞:占部房子(「偶然と想像」)
最優秀主演俳優賞:河井青葉(「偶然と想像」)
最優秀助演俳優賞:水原希子(「あのこは貴族」)中島歩(「いとみち」「偶然と想像」)
最優秀新進俳優賞:片山友希(「茜色に焼かれる」)駒井蓮(「いとみち」)梅田誠弘(「由宇子の天秤」)
最優秀新人俳優賞:河合優実(「由宇子の天秤」)和田庵(「茜色に焼かれる』」) 新進監督グランプリ:三澤拓哉監督(「ある殺人、落葉のころに」)
授賞式に先立ち、濱口監督の「偶然と想像」をみたが、出演俳優たちの演技に引き込まれた。この映画は2000年以降の邦画ではTOP20には入れたいほど、濃密で揺さぶられるような作品だった。
授賞式には、ブログ友でドロン祭を紹介してくれた徳さんと会食し「ダべリング」(死語)の楽しいひと時を過ごした。徳さんは自宅が高崎から車で40分の地元群馬で車で来ていたので、生ビールの一番搾りはfpdだけが堪能した(笑)。
■蛇足:高崎は「だるま」で有名。映画祭受賞者全員に「だるま」がプレゼントされた。「だるま」をもらっても…笑。企業等では、年度・期の出発に当たり「だるまの目入れ式」を行い、左目に筆で丸を描く。目標を達成すると「右目」に目入れをするというところもある(fpdのかつて勤務していた会社も社員大会で目入れ式を行っていた。両目を入れたこともあった。笑)。
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