「ウエスト・サイド・ストーリー」(2021)を見る。スティーブン・スピルバーグ監督の渾身の作品。コロナ禍となって約2年ぶりにお膝元の映画館MOVIXさいたまに出かけた。上映2日目の初回(9:30〜)は、座席も間隔が空いていて、4〜5席に1人といった客の入りだった。
アカデミー賞では作品賞、監督賞のほか、マリアの兄の恋人アニータを演じたアリアナ・デボーズが助演女優賞にノミネート。撮影賞、美術賞、衣装デザイン賞、録音賞と7部門が候補入りした。
1961年版「ウエスト・サイド物語」でアニータ役のリタ・モレノは助演助集賞を受賞し、今回のスピルバーグ版でも出演し、製作にも名を連ねている。
30歳の時の面影はないが、90歳で背筋もしっかりしていて、映画では存在感を示していた。
リタ・モレノ(左)
30,000人の中から選ばれたマリア役のレイチェル・ゼグラーの歌唱力(本人の歌)が透き通って心地いいほど素晴らしい。アカデミー賞候補に入っていないのが不思議。
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(ストーリーは省略)
新作とはいえ、挿入歌はすべて知っている曲なので、どのようにアレンジしているのか注目したが、踊り、ダンスシーンは素晴らしかった。
「マンボ」(体育館のダンス)「アメリカ」「クール」がやはり圧巻。天才カメラマンと言われるヤナス・カミンスキーは、”神”ンスキーではないかと思うようなダイナミックなカメラワークを見せつける。
意表をついたオープニングショットから引き込まれる。クレーン・ショットによる立体感に満ちたミュージカル映画の誕生といった印象だ。光と影、色あせた映像、1950年代の背景、とくにクラシックカーをどれだけ集めたのか(凄すぎる)。
取り壊されたウエスト・サイドのスラム街。
ポーランド移民とプエルトリコ系の移民の二つのグループが抗争を繰り広げる”分断”とそうした中で芽生える恋を描きながら、スラム街を取り壊し富裕層向けに都市化する(ジェントリフィケーションというらしい)立ち退き問題などの社会的側面も描いている。
ストーリー、メッセージ性は置いといても、ミュージカル映画としてのダンスシーンの迫力は心臓がバクバクするほど洗練されてかっこいい。
リメイクではあっても、曲の順番などは入れ替えてあり、台本を一旦は解体して、あらたに構築したようで、音響、映像を楽しむには劇場でしか味わえない”体験型”映画の2時間30分あまりの時間は最高に贅沢な時間であったかもしれない。
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大満足の映画のあとは「てんや」のオールスター天丼を食べた。
その2時間後には、時間調整でコーヒーだけというのも物足りない気がして、マックの「ビッグマック・セット」を食べてしまった(笑)。映画と食事で満腹の一日だった。
ポテトフライが不足気味というが、セットではたっぷりあった。
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