年末恒例の「2021 ユーキャン新語・流行語大賞」(現代用語の基礎知識選)の“年間大賞”に大谷翔平選手(27)の「リアル二刀流/ショータイム」が輝いた。
大谷選手は今期、アメリカン・リーグのMVPを受賞。ホームラン46本、投げては9勝の実力でMVPの獲得票数満票だった。大谷選手の二刀流は今年、リアルがつく。1つの試合で「指名打者・先発」として出場したのだ。
TOP10:
「うっせぇわ」「親ガチャ」「ゴン攻め/ビッタビタ」「ジェンダー平等」「人流」「スギムライジング」「Z世代」「ぼったくり男爵」「黙食」が選出された。
選考委員は、姜尚中氏(東京大学名誉教授)、金田一秀穂氏(杏林大学教授)、辛酸なめ子氏(漫画家・コラムニスト)、俵万智氏(歌人)、室井滋氏(女優・エッセイスト)、やくみつる氏(漫画家)。(五十音順)
大塚陽子(「現代用語の基礎知識」編集長)。
「現代用語の基礎知識」選 2021 ユーキャン新語・流行語大賞トップテンの解説
■「うっせぇわ」
大人に悪態をつくのは、思春期の不良と相場は決まっていた。しかし、この歌の主人公は「ちっちゃな頃から優等生」だそう。そのわりにあまりに激しい「うっせぇわ」。ミュージックビデオでは歌い手本人ではなくイラストの少女がかみつかんばかりに叫んでいる。これが、マスクはずしちゃだめ、近づいちゃだめ、消毒しなきゃだめ、お酒飲んじゃだめ、だめだめ規制続きの日々に響きに響いた。
■「親ガチャ」
ガチャガチャで出てくるアイテムのように親を自分で選べないことで、親が当たりだったりはずれだったりすることをひと言で表現したことば。生まれた時の環境や親で自分の人生が決まっているという人生観が今の若者に広がっているのだという。
■「ゴン攻め/ ビッタビタ」
新競技の解説は重要だ。なんだか日本人選手ががんばっているらしいとスケートボード競技を見ようとチャンネルを合わせてみたものの、何回回ったのかも追いきれない。デッキやノーズなどカタカナ語のオンパレードで、技名に至ってはノーリーバックサイド270スイッチボードスライド、キックフリップ540メロングラブなど…。「私たちが見る競技ではないのか」とあきらめかけた中高年を救ったことばが「ゴン攻め」だ。手すりや階段などの難所をがんがん攻めることをいうそうだ。ねらい通りの場所にぴったりはまることは「ビッタビタ」。■「ジェンダー平等」
「女性がたくさん入っている会議は時間がかかる」と日本オリンピック委員会の評議委員会で堂々と持論を披露し辞任に追い込まれた森喜朗東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会前会長。
「すべての人が性別にかかわらず平等な機会と権利を持ち得ること」を意味するジェンダー平等は、今年浸透したSDGs・持続可能な開発目標の1つだ。
■「人流」
「3密」「ソーシャルディスタンス」「夜の街」に続く今年の感染予防にまつわるキーワードが「人流」だ。人の生活をデータとしか見ていない気持ちの悪さはあるが、強制できない日本での和製ロックダウンの造語としては苦心の作ではあったのだろう。
■「スギムライジング」
ジャックボールという目標の白い球に赤・青の球が火花を散らすミリ単位の集中戦、そこにボッチャの宇宙をみた。イタリア語でボールを意味するボッチャはパラリンピック独自の競技で、周囲がおよそ27センチ、ちょうどおにぎりくらいのボールが転がり、ゆっくり弾み、そして乗り上げる。ボールの表面は柔らかくあまり弾まず転がりにくいのだが、密集したボールに乗り上げる技がライジングだ。ライジングは非常に難易度が高い。杉村選手が繰り出すこの精密なコントロールを人は「スギムライジング」とよんだ。
■「Z世代」
1990年代後半~2000年代に生まれた現在10~20代前半がそうよばれる。この世代を象徴するものが何かというと、スマホである。「スマホ」が新語・流行語大賞を受賞したのが2011年、小学生の時には手に持つおもちゃはスマホだった世代だ。
■「ぼったくり男爵」
2021年5月、第4波が到来、東京オリンピック・パラリンピック開幕まであと2ヶ月半となるこの時期、国民の不安は高まっていた。“コロナに打ち勝っていないのになぜ開催するのか”の疑問に対し「国民の命と健康を守っていく」の一点張りでスルーし、政治家の先生方はひたすら国際オリンピック委員会(IOC)のご機嫌を損ねぬよう立ち居振る舞ってみせた。トーマス・バッハ会長らは日本の感染状況に配慮をみせることなく開催に突き進み、日本が主権さえ手放したように見えるこの状況をアメリカのワシントンポスト電子版は「IOCは商業主義で日本を踏み台にしている」と指摘した。この記事で使われた「Baron Von Ripper-off」にあてられた和訳が「ぼったくり男爵」。
■「黙食」
「マスク会食」が呼びかけられ、1回1回外す人vs外しっぱなしの人の一触即発の危機を回避したのがこのことば。「黙々と食べる」から黙食。
■(11月4日発表のノミネート語30は以下(50音順)
1.イカゲーム
2.うっせぇわ
3.ウマ娘
4.SDGs
5.NFT
6.エペジーーン
7.推し活
8.親ガチャ
9.カエル愛
10.ゴン攻め/ビッタビタ
11.ジェンダー平等
12.自宅療養
13.13歳、真夏の大冒険
14.ショータイム
15.人流
16.スギムライジング
17.Z世代
18.チキータ
19.チャタンヤラクーサンクー
20.ととのう
21.フェムテック
22.副反応
23.ピクトグラム
24.変異株
25.ぼったくり男爵
26.マリトッツォ
27.黙食/マスク会食
28.ヤングケアラー
29.リアル二刀流
30.路上飲み
・・・
コロナ禍で、明るい話題を提供した大谷選手の「新語・流行語大賞」(リアル二刀流/ショータイム)でよかった。
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