将棋の藤井二冠が、寿司の握りを数えるように一貫、二貫とついに3貫(3冠)が目前に迫ってきた。
豊島将之叡王(31)に藤井聡太二冠(19)が挑戦する第6期叡王戦五番勝負(不二家主催)は第4局まで終え2勝2敗のタイ。最終第5局があす9月13日東京都渋谷区「将棋会館」で行われる。
藤井二冠(王位・棋聖)が勝てば史上最年少での三冠達成、豊島叡王(竜王)が勝てば二冠堅持となる。データを基にした予想があった。現在の最年少3冠記録は羽生善治九段(50)の持つ22歳3カ月(1993年=棋王、王座、竜王)。
<五番勝負これまでの結果と日程>
藤井二冠(先手)勝ち
豊島叡王(先手)勝ち
第3局 8月9日 愛知県名古屋市「か茂免」
藤井二冠(先手)勝ち
豊島叡王(先手)勝ち
第5局 9月13日 東京都渋谷区「将棋会館」
現在の調子の比較では藤井二冠が断然優位にあるという。
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現時点の将棋における最強棋士ランキングトップ20で、つい最近まで4強時代と言われていたのだが「一強」(藤井二冠)とさえ言われている。
相対評価で実力を表すために使われる指標の一つで著名なレーティングシステムである「イロレーティング」による将棋の実力ランキング(2021年9月)は以下の通りとなった。
イロはアメリカの開発者の名前からとっているが、もともとチェスの実力を表すために考案されたものだが、様々な競技に応用されている。
国際チェス連盟の公式記録以外にも、日本アマチュア将棋連盟の公式記録、将棋や囲碁などのオンライン対局場、サッカーのFIFAランキング、ラグビーなどの一部の競技団体のランキングなどで採用されている。一部の競技では単にレーティングと呼ぶこともある。
平均的な棋士のレーティングを1500としていて、勝利すればレーティングは上昇し、負ければレーティングが下落するという単純な仕組み。
目安として例えば1800の棋士が、300の差がある1500の棋士と戦った場合の勝率は85%の確率で1800の棋士が勝利するとも言われる。
YouTubeなどの解説によると、藤井二冠のR(レイティング)の2000は、直近の最新データでは2100とも言われていた。2000台を維持するのは異次元らしい。
とにかくすごいということだけはわかる。四冠同時保持者はこれまでに5人しかいない。タイトル数が現在の八冠より少なかった時代の羽生7冠独占、大山四冠独占を含む。
あす勝利すると、藤井三冠という呼び方になり、さらに挑戦権を獲得したタイトル(竜王戦)挑戦も控えており、年内に「四冠」もある状況となっている。
ソフトバンクの孫さんが、豆腐のように1丁(兆)、2丁(兆)と売上を数えるくらいにしたいというのと重なる。
中原誠一六世名人は、藤井二冠はこれから長い人生なので、将棋以外にもなにか趣味を持つことで人間の幅も広がるというようなことを語っている。確かに。
【追加】
予想通り、藤井二冠が「叡王戦」最終第5局に勝利し、三冠となった。