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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

ドラマ「ハウス・オブ・カード」(全話73話)を完走。疲れるが痺れるほど火花散るドラマ。

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ハウス・オブ・カード」(全6シーズン、73話)を完走した。これほどリアルで、ワクワクさせられたドラマは珍しい。歴史的大傑作と喧伝(けんでん)されているが、まったくその通りで、作り手、出演者の意気込みがスゴイ。

2016年のアメリカ大統領選挙の行われていた時期に、同じタイミングでドラマで大統領選挙が行われるのだ。ドラマに登場する人物のモデルは誰かなどの興味もあるが、実際とは巧みに変更されて、ドラマは進行する。

それでも、大統領府の壁には、過去の大統領の大きな肖像画が掛けられていて、リチャード・ニクソン、ドナルド・レーガンや、近年のクリントン大統領の画も見える。

ドラマの最後は女性大統領の誕生で、なにやらヒラリー・クリントンをにおわせていないこともない。ロシアの大統領は、まぎれもなくプーチン大統領だ。何十年もトップにいるので、ほかには考えられない。プーチンを演じる役者も、したたかで、手ごわい。

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初の女性大統領に就任したクレア・アンダーウッド(ロビン・ライト)は、夫であるフランシス・アンダーウッド(ケヴィン・スペーシー)と結婚25年だが、夫をまず大統領にし、自身は副大統領に就任。そして、野望の最終目的である大統領に就任する。夫も自身が大統領になるための踏台のための手段でしかなかった!

テレビの某CMであまり好きでないCMだが「そこに愛はあるんか」というのがあるが、アンダーウッド夫妻の場合は、仮面夫婦の25年間だった!

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フランシスは表面上はともかくクレアを見下すし、クレアも夫を信用していない。書くのもおぞましいが、フランシスは自身の伝記を書くために、ライターの男を常に大統領府に寝泊りさせていた。ライターの男がなんと妻のクレアと相思相愛になって関係を結んでも見てみぬふり(むしろフランシスが仕向けたのでは、というのも垣間見える)。

一方、フランシスは、SPの一人にその方面の男を雇うゲイでもあった(なにやら、実生活でもケヴィン・スペーシー本人が過去の若者への性的スキャンダルの打消しのためか、カミングアウトしたというのだが)。

フランシスがのし上がるためには手段を択ばない悪行の数々が描かれる有力新聞社の若い女性記者に不都合な真実をつかまれると、深夜の地下鉄で、変装して線路に突き落として殺してしまうのだ。

フランシスに心酔して絶対服従の側近にその罪を着せて、その側近もフランシスを守るためにその通りに従うのだ。ところが、フランシスをなきものにし、大統領の座を奪ったクレアに対しては、フランシスの側近は復讐心しかわかない。

陰謀に次ぐ陰謀、策略、足の引っ張り合い、証拠隠滅のための殺人、どろどろした人間関係、ありとあらゆる醜い権力闘争が描かれている。ファイナルシーズン(シーズン6)には、なんとダイアン・レインが登場。女性大統領クレアと対等に渡り合う存在感を見せている。かっこいい!(笑)。

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「ハウス・オブ・カード」は、アメリカのドラマとしては、まれに見る傑作だ。

ジェフ・ビールの音楽(オープニング曲)も素晴らしい。

 

【受賞歴】

2013年第65回プライムタイム・エミー賞
  • ドラマ・シリーズ監督賞(デヴィッド・フィンチャー
  • ドラマ・シリーズ撮影賞(シングル・カメラ部門)
  • ドラマ・シリーズ・キャスティング賞
2014年第66回プライムタイム・エミー賞
  • 音響賞コメディ/ドラマシリーズ部門(1時間)
2015年第67回プライムタイム・エミー賞
第71回ゴールデングローブ賞
第72回ゴールデングローブ賞
第66回全米脚本家組合賞
  • 最優秀新番組賞
第21回全米映画俳優組合賞
第22回全米映画俳優組合賞
第16回全米衣装デザイナー組合賞
  • 現代ドラマ賞
第18回サテライト賞
第14回アメリカン・フィルム・インスティチュート
  • 最優秀テレビ番組賞