ドキュメンタリー映画「オクトパスの神秘: 海の賢者は語る」(2020)を見る(Netflix)。今年のアカデミー賞「長編ドキュメンタリー賞」を受賞。
クレイグ・フォスター氏が南アフリカの藻場(=海藻の森、英語でKelp forest)でフリーダイビングの最中に発見した好奇心旺盛なタコとの1年間にわたる交流を描いたドキュメンタリー映画。タコがどのように眠り、食べ、生きるかをありのままを映像化。タコとの関係が人生に与えた影響に関するフォスター氏の独白などが評価された。
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海底の知られざる世界や、生物の生態を見事に映し出している。中型・小型の生物はサメなどの大型の捕食者から隠れるように海藻の中に暮らしているが、タコも、そうした生物の一つ。
海藻をマントのように体に巻き付けて身を隠したり、貝殻を自身のまわりにたくさん集めて、カメレオンのように見わけがつかないようにしたりして身を守っている。
「逃亡者」(タコ)と「追跡者」(サメ)の”逃亡劇”も面白い。
こちら逃亡者 ↑
こちら「追跡者」↑
貝殻で身を隠す逃亡者
貝に身を隠していることを見破りかぶりつく追跡者
それならと追跡者の死角となる背中に乗り安全を確保する逃亡者
においに敏感な追跡者。
ここなら安全と陸に逃げ込むこともある逃亡者
サメに見破られて、がぶりとかぶりつかれることもあるが、すばやく、サメの盲点となる背中に乗って機を見て逃げるという知恵も持っている。また、短い時間ながら、陸に逃げ込むこともある。
タコを「彼女」と表現するフォスター氏は、毎日、彼女に会いに行くが、やがてタコのほうから、この生物(人間)は安全だと認識され気を許し、手を差し伸べてくるといった映像には驚かされる。タコは、犬・猫などに次いで理解力があるというから驚きだ。
フォスター氏は、すばらしい神秘の世界を、息子にも伝え、二人で海底にもぐり、未知の世界を確認する。息子は、いまや「小さな海洋学者」として、自身も成長している。
知られざる神秘の世界を知ることができるドキュメンタリー映画はめったに見る機会がないが、この類の映画では「皇帝ペンギン」などが面白かった。仲間同士、極寒の地て肩寄せ合っていた姿が健気だった。