「ラストタンゴ・イン・パリ」(1972)や「ラストエンペラー」(1987)などで知られるベルナルド・ベルトルッチ監督が、がんのため11月26日(現地時間)にイタリア・ローマで死去した。享年77歳。ベルトルッチ監督の広報担当者が発表した。
訃報を知って驚いたが、まだ77歳だった。
詩で才覚を発揮し、その後映画の道へ進む。
ローマ大学在学中の1961年にはピエル・パオロ・パゾリーニ監督のデビュー作「アッカトーネ」の助監督を務めた。1962年にローマ大学を中退すると、長編「殺し」(1962)で監督デビューし、1964年には若者が自らのイデオロギーのあり方に苦悩する姿を描いた自伝的青春映画「革命前夜」を発表。
アカデミー賞脚色賞にノミネートされた「暗殺の森」(1970)の当時はまだ29歳だったことになる。この映画は映画監督のスティーブン・スピルバーグ、マーティン・スコセッシ、フランシス・フォード・コッポラらに大きな影響を与えたといわれている。
「ラストタンゴ・イン・パリ」(1972)ではポルノか芸術かの二項対立の論議を生み出したが、第46回アカデミー賞では監督賞にノミネートされた。「ラストタンゴ・イン・パリ」は、高い評価を受けた一方で、過激な性描写が当時は物議を醸した。ポスターも強烈だった。
代史を総括した5時間16分の大作であった。
「ラストエンペラー」(1987)では、3歳で清王朝の皇帝に即位した溥儀の生涯を描き、坂本龍一が音楽を担当して話題となった。この映画でアカデミー賞作品賞、監督賞、撮影賞、脚色賞、編集賞、録音賞、衣装賞、美術賞、作曲賞とノミネートされた9部門すべてを受賞する快挙を成し遂げたのだった。
2003年の「ドリーマーズ」以降、長らく闘病生活を送っていたが、2012年に「孤独な天使たち」で9年ぶりに復帰。闘病中の2011年には第64回カンヌ国際映画祭で名誉パルム・ドールを受賞。2013年、第70回ヴェネツィア国際映画祭で自身2度目となる審査員長を務めた。
監督作品:
「殺し」La Commare secca(1962)
「革命前夜」 Prima della rivoluzione (1964)
「暗殺のオペラ」Strategia del ragno(1970)
「1900年」1900(1976)
「ルナ」Luna(1979)
「ある愚か者の悲劇」 La Tragedia di un uomo ridicolo (1981)
「魅せられて」Stealing Beauty(1996)
「シャンドライの恋」Besieged(1999)
「ドリーマーズ」The Dreamers(2003)
「孤独な天使たち」Io e te(2012)(遺作)
巨星(鬼才)墜つ、か。
ご冥福をお祈りいたします。
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