「青春の抗議」(原題:Dangerous, 1935)を見た。日活でも同名タイトルの映画があるが全く別もの。キャサリン・ヘプバーンと並ぶ、ハリウッド映画史上屈指の演技派女優ベティ・デイヴィスが主演。ベティ・デイヴィスは当時27歳で全盛期の頃の作品。
ベティ・デイヴィスはこの映画でアカデミー賞主演女優賞を受賞。
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かつて美貌と才能を歌われた女優ジョイス・ヒース(ベティ・デイヴィス)は、余りに自己中心的な性格の女だった。ジョイスに近づいた男は、ある者は自殺しある者は富と地位を失い、ことごとくその身を亡ぼしていた。
遂に興行者は鬼門としてジョイスを避け、今では落ちぶれたジョイスは場末の安酒場で酔いつぶれていた。その頃新進建築家ドン・ベローズ(フランチョット・トーン)は落ちぶれ果てたジョイスを見かけ、同情の念からジョイスを田舎の別荘に連れ帰った。
日が経つにつれて、ドンは次第に彼女の妖しい魅力にひきつけられ、とうとうある夜われを忘れてジョイスを抱擁する。しかし、ドンには良家の令嬢ゲール・アミテージ(マーガレット・リンゼイ)という美しい婚約者がいたのだった。
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酒場で酔いつぶれてしまい、興行主に売り込みの仕事などをしている男が別荘に連れ帰るが、翌日の朝、使用人から「朝食です」と言われるが、朝から「お酒を」という程の飲んだくれ。「朝食前にか?」と言われるが、お構いなしに酒瓶が入っているガラス箱を割ってまで、酒瓶を取り出す始末。
デイヴィスは、前年の「痴人の愛」(原題:Of Human Bondage,1934)の演技が絶賛されたが、ワーナーのボスであったジャック・ワーナーが、他社に出演したデイヴィスに対して、露骨かつ意図的にデイヴィスを締め出しにかかったため、オスカーにノミネートさえされなかった。
これに対して、評論家やファンはアカデミー事務局に抗議。デモ隊まで登場するほどの大事件となった。これは「オスカー史上の最も大きな過ち」と呼ばれる。アカデミーの長い歴史を振り返る上で、忘れ去られることの無い語り継がれるほど有名な話となったという。
こうした背景からデイヴィスに対する同情もあって「青春の抗議」では、主演女優賞を受賞したとも言われている。デイヴィスは、不本意で「オスカーはキャサリン・ヘプバーンに行くべき」と語ったという。
タイトルから見ると若者の反発のような印象だが、全く違っていて、中年の3角関係をさらりと描いている。離婚に応じない夫を車に乗せて、わざと事故るという荒業はあるが、結局はそれぞれ収まるところに収まって・・・という映画。
主な出演者:
フランチョット・トーン:ドン・ベロウズ(Don_Bellows)
マーガレット・リンゼイ:ゲイル・アーミ・テージ(Gail_Armitage)
アリソン・スキップワース:ウイリアムズ夫人(Mrs._Williams)
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