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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「ブーベの恋人」(1963)再見。</span>





ブーベの恋人」(原題:La Ragazza di Bube1963)を再見した。原題のRagazzaは、「女の子」あるいは、彼女といったニュアンス。

この映画は、クラウディア・カルディナーレの映画では、表情も演技もベストワンの作品かもしれない。
 


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電車の窓に映るマーラ(クラウディア・カルディナーレ)。
マーラの回想で物語が進む。ラストシーンで同じ場面になるが、マーラは、留置場にいる恋人ブーベ(ジョージ・チャキリス)に2週間に一度面会するために、電車に乗っていたのだ。すでに七年間、同じ生活を送ってきた。そして、ブーベが刑期を終えるのは、更に七年後だった。


「あと七年待つ。その時に私は34歳。ブーベは37歳になる。あっという間だわ。」のラストのセリフは、かつてマーラに想いを寄せていた印刷所に勤めていて、たまたま数年ぶりに駅のホームで再会したステファノ(
マルク・ミシェルに言うセリフだった。
 
マーラは回想する1944年の終戦=解放の日パルチザンであるマーラの兄の同胞ブーベ(ジョージ・チャキリス)が悔やみを言いにマーラ
家を訪れた。針と糸を貸してくれという彼の破れたズボンを繕ってやるマーラ。
 
その夜、家に世話になったブーベはパラシュートの絹布を彼女に贈った。布切れでブラウスを作った。以来、彼からの便りを待つ日が続いた。
 
週一回決まってよこす手紙には、仕事や党活動に明け暮れる報告しか書かれておらず、愛の言葉はなかった。幾度か慌ただしい訪問のあった後、彼は求婚したが、同時に沈痛な面持ちで、仲間を撃ったファシストの署長とその息子を殺し、追われる身となったことを告げるのだった・・・

やがて、憲兵に逮捕され、裁判で14年の刑となる。”終身刑”かと思われたが、バスに乗っていた時に、ファシストの司祭を群衆の手から引き離し憲兵に渡したことが減刑につながった。
 
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ファシスト根絶をめざすパルチザン(ゲリラの類語で、ファシズム体制への抵抗運動組織)の存在や、当時のイタリアの社会状況、印刷所の”活版”印刷など旧式の機械などが興味深かった。
 
マーラの女友達リリアーナは、マーラに、憲兵から逃げ回っているブーベなど諦めて、今を生きたほうがいいという。マーラは、印刷工のステファノというボーイフレンドもできて楽しい時を過ごし、ステファノから告白もされた。真面目で申し分のない相手だったが、マーラはステファノに会わない決断をくだす。「ステファノ、私にはこれしか道はない。私は”ブーベの恋人”よ」。
 
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映画館で映画を見るシーンがある。
映画は「哀愁」(原題:Waterloo Bridge1940だった。入場料は50リラ(当時)。
マーラの女友達リリアーナが「哀愁」の看板を見て「この”哀愁”っていう映画、内容を聞いたけど泣けるわよ」とマーラに言う。「ある士官が恋人を残して出征するの。彼の戦死報告を聞いた恋人は絶望して道を踏み外す」「どうしたの」「娼婦になる」「それ以上は言わないで」。
  
戦後の混乱期の揺れる世相を一人の平凡な女性の目を通して描く社会派メロドラマ。繰り返し流れるカルロ・ルスティケリの大ヒットした主題曲が切なく作品にマッチしている。



映画主題歌を日本語に翻訳カヴァーし、
いしだあゆみビクターレコード)、ザ・ピーナッツキングレコード)が競作でシングルレコードリリースされた。

ザ・ピーナッツの歌は昔から馴染みがあるが、いしだあゆみの歌は聞いてみたが、やや合わないような気がした。

                                 「ブーベの恋人」の主題歌:ザ・ピーナッツ
              再生不可の場合はYouTubehttps://youtu.be/vr-zRGVvtO8


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