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<span itemprop="headline">映画「誰のせいでもない」(2015、公開2016)</span>





誰のせいでもない(原題: Every thing will be fine2015、日本公開2016年9月)を見た。ドイツカナダフランススウェーデンノルウェー合作のドラマ映画
 
 
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カナダ、ケベック州モントリオール郊外のサンティポリッドという田舎町。作家のトーマスジェームズ・フランコ原稿の執筆がはかどらず、一緒に暮らす恋人サラレイチェル・マクアダムスとの関係が生き方の違いがあって、ぎくしゃくしていた。


 
ある大雪の日、車を運転していたトーマスが目の前に飛び出してきた何かに慌てて急ブレーキをかけると、そこには虚ろに座り込む1人の少年がいた。


 
少年の無事を確認し胸をなでおろしたトーマスが少年を自宅まで送ると、母ケイトシャルロット・ゲンズブールは息子の姿を見て何故か半狂乱になってしまう。少年の名はクリストファーといい、ケイトは「ニコラスはどこ?」と表に飛び出し、事故の現場に走る。



トーマスは、てっきり少年が無事だと思って安堵していたが、クリストファーの幼い弟も一緒だったのだ。そしてこの事故が、トーマスと恋人サラ、編集者のアン、少年の母ケイトの人生を大きく狂わせていく。
  


事故のあとトーマスは精神不安定になり、スランプに陥り、自殺を図ったりと、心身ともにボロボロにな。私生活では長年付き合ってきた恋人とはうまくいかず、結局は別れ、時間をかけてトラウマを克服しようとする。
 
それから、2年、さらに4年、また4年と長い年月が経ち、被害者、加害者それぞれの生活が描かれるが、事故から10年後16歳になったクリストファーから突然トーマスに手紙が届く。

ほう、ここから仕返し、復讐でもあるのかと期待するが、トーマス夫妻が不在の時に、そのベッドに小便をかけて、夫妻を驚かせるくらいで、何も起こらない(笑)。

クリストファーもトーマスと同じように作家になりたいと自転車を走らせて去っていくだけで、トーマスもそれを見送って、それまでのトラウマから解放されたように笑みを浮かべるだけだった。
 
被害者が加害者の気持ちを察して聖書を渡し、これを読んでくださいという優しい人間物語になっている。「誰のせいでもない。全て上手くいくから(=原題)」といったニュアンスで物語は幕を閉じる。


 
トーマスの小説の熱烈なファンとなっていたクリストファーが「事故前の作品はよくなかった」と語り、事故を経験して作品がよくなったなどというのは、自己の経験が作品に深みを与えたといった印象で、少々ずれているような気がする。トーマスも「どん底から這い上がった」などと語るので、映画全体がイマイチ盛り上がりに欠ける。

 主な出演:
 ロバート・ネイラー
 パトリック・ボーショー
監督:ヴィム・ヴェンダース
脚本:ビョルン・オラフ・ヨハンセン
撮影:ブノワ・デビエ
音楽:アレクサンドル・デスプラ
2015年、ドイツ・カナダ・フランス・スウェーデンノルウェー
時間:118分

 予告編





★★


「♪誰のせいでもありゃしない みんなオイラが悪いのか♪」と歌ったのは尾藤イサオの「悲しき願い」。この映画が、今ひとつだったのは監督のせい?。

  
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