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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「ザ・コンサルタント」(2016)を見る。ベン・アフレック主演。

 
ザ・コンサルタント(原題: The Accountant2016を見た。
主演は「アルゴ」「ゴーン・ガール」などのベン・アフレック。原題は「会計士」だが、それは表の顔。裏の顔は、腕っぷしの強いスナイパー(殺し屋)。一言では言い表せないような複雑な映画で、通常のアクション映画とは一線を画している。
 
主人公が一匹狼というとトム・クルーズの「アウトロー」などを想像するが、この映画は全く異なる、変わった映画でもある。几帳面だが精神安定剤を常用。子供時代から精神的に情緒不安定で、ある呪文(古い民謡)に支配されているという変人ぶり。
 
父親からも「お前は異質だ」といわれ続けてきた。
そんな主人公だが、狙撃銃を持つと、1.5キロも先の小さなターゲットでも100%命中させてしまう凄腕の持ち主だ。その異質さゆえに、裏社会では、マネー洗浄などの会計操作で重宝がられ、同時に恐れられてもいるのだが・・・。
 
  
【ストーリー】
 田舎町のしがない会計士クリスチャン・ウルフ(ベン・アフレックに舞い込んだ、大企業からの財務調査依頼。ウルフは重大な不正を見つけるが、なぜか依頼は一方的に打ち切られる。その日から、何者かに命を狙われるウルフ。
 

実は
ウルフは、世界中の危険人物の裏帳簿を仕切る裏社会の掃除屋でもあったのだ・・・。年収10億円、天才的頭脳を持ち、最強のファイターでもあり、命中率100%のスナイパー。本籍・本名・私生活、そのすべてが謎に包まれた会計士が、アメリカ政府、マフィア、一流企業に追われてまで危険な仕事に手を出す本当の理由とは・・・
 
・・・
映画は、導入部から、わけがわからない混沌とした状況に叩き込まれてしまう。
精神的に障害がありそうな子供が、なにやらうわごとのように1800年代の民謡「ソロモン・グランディ」を繰り返す。自閉症特有のクセとなっているようだ。しかも、パズルに取り組んでいるのだが、パズルを裏側からはめ込んでいるのだ。
 
呪文のような民謡の言葉は、同じことばの繰り返しだが、次のような言葉だった。
「金曜に危篤、土曜に死んで、日曜に埋葬 ソロモン・グランディ 一巻の終わり」。さらにつづく。「月曜に生まれて、火曜に洗礼、水曜に結婚、木曜に病気」これが最初の「金曜に危篤」につながっている。
「終わらせなきゃあ」という強迫観念にとらわれて、パズルで、最後の1ピースが見当たらないと、頭を抱えて悩む少年。近くにいた女の子が、落ちていたピースを見つけて渡すと、パズルは完成。パズルの絵柄はモハメッド・アリのようだ。
 
今からおよそ30年前、その少年はニューハンプシャー州の、ハーバー神経科学研究所という、精神障害児を専門にケアを行う森の中の静かな施設で、両親、弟とともに診断を受けていたのだった。
 
 

そして、現在。
クリスチャン・ウルフ(ベン・アフレック)はシカゴ近郊で小さな自営の会計事務所を構えていた。ちょうど、その日は税金の支払いに困窮した農夫夫妻の相談に応じていた。
 
無愛想で朴訥とした喋り方であったが、クリスチャンは的確なアドバイスで農夫の信頼を勝ち取った。喜んだ夫妻の計らいで、クリスチャンは彼らの広い農場内を趣味の射撃の練習場として使わせてもらえることになった。
 
後日、クリスチャンは農夫の家で射撃練習を行ったが、その腕前は、300メートルほど離れたところから的を正確に射抜くなど、神業級だった。
 

その頃、商務省局長を務めるレイ・キング(J.K.シモンズ)は、自室にマリーベス・メディナ分析官(シンシア・アダイ=ロビンソン)を呼んで、いくつかのテロリスト達の中に写り込んだ男(クリスチャン・ウルフ)の調査を依頼した。
 
裏の世界でコンサルタントとして活動する彼が、なぜ闇の組織に殺されず、活動を続けられているのか知りたいのだという。
 
 
メディナは専門外なので一旦は断ったが、彼女の過去の犯罪履歴を隠し、ボルチモア大卒業という経歴詐称で勤務しているという弱みを握られていることがわかり、渋々レイに従うのだった。
 
場面は変わり、スイスのチューリヒでは、ある男が車に乗り込むところだった。
彼は、株のブローカー会社の社長だ。その瞬間、暗殺者がその男の車に乗り込んで、銃で男を脅した。男が手がけている株の空売りを1週間以内にやめないと、殺すと言い残して去っていった。
 
 
クリスチャンの日常は非常にシンプル。
部屋には物は極端に少なく、食器も1本ずつ。シンプルな食事を摂ると、寝る前に、大音量の音楽と目がくらむほど点滅を続ける光源にさらされながら、時間が来るまで足の筋肉を鍛える日課をこなしていた。そして、精神薬を飲んでから眠りにつくのだった。

 

精神安定剤を飲み、食事も皿の上の食料も貴重面に並べられる。引き出しの中も、モノが整然と並べられている。夜寝るときに壁に掛けられた絵は、ぐしゃぐしゃした線が無造作に描かれたような絵だったが、それが精神の安定に役立っているのか。今でも、少年時代の「月曜に生まれて、火曜に洗礼~」の言葉が頭をよぎる。
 
また、自己刺激というのか、丸い棒で、足をこすりつけ鍛えるのだ。背景には、ステレオ装置で騒々しい音楽をガンガンと鳴らす。
 
 
・・・
見どころとしては銃撃戦や、ウルフを助ける”謎の女”の声の正体などがある。
頭が鈍くなったのか?(笑)一回見ただけではお手上げの映画。もう一度見て、整理しないと収拾がつかないような映画だった。
 
主な登場人物:
クリスチャン・ウルフ - ベン・アフレック デイナ・カミングス - アナ・ケンドリック レイモンド・キング - J・K・シモンズ ラクストン - ジョン・バーンサル フランシス・シルヴァーバーグ - ジェフリー・タンバー メリーベス・メディナ - シンシア・アダイ=ロビンソン ラマー・ブラックバーン - ジョン・リスゴー リタ・ブラックバーン - ジーン・スマート エド・チルトン - アンディ・アンバーガー ジャスティーン - アリソン・ライト 神経学者 - ジェイソン・デイヴィス クリスチャンの父 - ロバート・C・トレヴァイラー クリスチャンの母 - メアリー・クラフト


俳優陣では、「セッション」のJ.K.シモンズが相変わらず渋い。
アナ・ケンドリックは、小柄でお隣のお姉さんという印象だが、見たことがあると思ったら「マイレージ、マイライフ」(2009)のナンシーだった。
 
☆☆☆
 
 
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