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<span itemprop="headline">映画「メッセージ」(原題:Arrival, 2016)</span>



メッセージ(原題:Arrival, 2016)を見た。MOVIXさいたまにて(8:55の初回)。
観客はパラパラと10人ほど。このシネコンは8:30にシャッターが上がるが、50代以上とみられるご婦人の十数人の列があったが、おそらく目当ては邦画の「昼顔」と推測される(笑)。
 
メッセージ」はSFファンから絶大な支持を受けるテッド・チャンの短編小説を映画化。監督はドゥニ・ヴィルヌーヴという人で、「ブレードランナー」の続編「ブレード・ランナー 2049」を監督している注目監督である。

映画は「ファースト・コンタクト物」といわれるジャンルの映画で、地球外生物と人類が初めて出会うという種類の映画である。

第89回アカデミー賞で8部門にノミネートされ、音響編集賞を受賞したSFドラマ。これまでのSF映画では、人類との戦争やバトルが描かれてきたが、エイリアンがなぜ地球にやってきたのかが明かされていく。意外な”目的”だった。
 
突然、地球に襲来したエイリアン(異星人との交流を通して言語学者が娘の喪失から立ち直っていく姿が描かれる。主人公の言語学者アカデミー賞では常連となっている演技派エイミー・アダムスが演じている。



言語学者のルイーズ・バンクス(エイミー・アダムス)は湖畔の家に独りで住み、今はいない娘ハンナとの何気ない日常を時おり思い出す。
 
ある日、地球各地に大きな宇宙船のような物体が出現する。
ルイーズは、宇宙船から発せられる音や波動から彼らの言語を解明し、何らかの手段でこちらのメッセージを彼らに伝えるよう、国家から協力を要請される。
 
スタッフのなかには、物理学の見地から取り組むよう招集されたイアン(ジェレミー・レナー)もいた。ウェバー大佐(フォレスト・ウィテカー)に急かされながら、スタッフは少しずつ相手との距離を縮めていく。
 
ルイーズは忙しくなるほど、ハンナの思い出が色濃く蘇る。
しびれを切らした中国は核攻撃をしようとしていた。



ルイーズは自分を指して「HUMAN(人類」というところからコミュニケートの端緒をつかむ。
 
彼らにはタコの足に似たものがあったため、彼らをヘプタポッドと呼ぶようにした。彼らはその先端から図形を吐き出す。刻々と変化する図形の規則性を見出すと、それらをコンピュータに打ち込んで会話ができるようになる。


 
ルイーズとイアンはそれらの2体をアボットコステロと名付ける。
政府や軍はヘプタポッドが地球を攻めようとしているのではと相変わらず疑っていたが、そんなとき、ヘプタポッドの時間の概念は自分たちと大きく違っていることに気付く。彼らはアインシュタイン相対性理論の進化形の如く、驚くべき真実をルイーズたちに伝える。
 
それは、3000年後の地球も現在と同じ座標軸にあるというものだった。
ルイーズは彼らの言語を研究し理解するにつれ、自分の人生における経年も今までの時間軸の概念を超越したものになることを知る。
 
ルイーズは彼らからの影響に混乱するが、過去が未来にやってくることが分かっても、愛することをやめないと確信する。ついに最終決断を下した中国の行動を止めるため、ルイーズはイアンを使って思い切った賭けに出る。彼女の行動は、地球を、そして彼女自身を救うことができるのか?MovieWalker)
 
・・・
前半はやや単調で、ややもすると睡魔との戦いになるが、この映画は、興行収入(映画の動員数の多さ)面で中国マーケットを意識してか、中国の立ち位置をポジティブに描いている。

卵型の円盤のような形をした宇宙船が、地球上に、十二カ所に到着(Arribval=到着、着陸=原題)したが、アメリカは、言語で相手と交流を図ろうとするが、ロシアや中国は好戦的で、エイリアンを武力で撃退しようとする。

ところが、あるきっかけで、ルイーズが中国の当局者と電話で中国語で話した一言(字幕はなし)で、中国はアメリカに同調し、エイリアンとコミュニケーションを取ることにしたのだ。いったい、その言葉とはどういった言葉だったのか・・・。
 
記憶が過去にタイムスリップしたり、ややわかりにくいところもあるが、示唆に富んだ言葉も多かった。「記憶は不思議だ。時の流れによっていろいろと見えてくる」「人生観を変えたのは、”彼ら”の到着だった」。



宇宙人の発する墨のような文字は、円形。あたかもコーヒーカップの中のシミのような文字。円形の輪になっているので、始まりも終わりもない。

丸いのが、一つの文章の「行」に相当するようだ。始まりと終わりがない。
言い換えると、過去・現在・未来という概念がないということらしい。宇宙人の身体も前と後ろの区別がつかない。
 
カンガルーという言葉が登場する。
この言葉は、1770年にJ=クック(キャプテン=クック)の率いる探検隊が、オーストラリアでカンガルーの名前を先住民に聞いたところ「カンガルー」と答えたため、その名前で呼ばれるようになった。 カンガルーとは、現地語で「私は知らない」を意味するのだ。映画では「理解できない」という意味で使われていた。

7本足の大タコのようなエイリアンが2つの物体として登場。
ルイーズはとイアンは、便宜上、”アボットコステロ”と名付けた。
アボットコステロというのは、バッド・アボットとルウ・コステロの二人組からなるアメリカ合衆国のお笑いコンビ1930年代から50年代にかけて活躍した
 
ルイーズにはハンナ(HANNAH)という娘がいて、ハンナを大事に育てていたが、何なの事情で亡くなってしまう。HANNNHという文字が回文(頭から読んでも最後から読んでも同じ)であること、ハンナに献ぐという本があらわされたことなどもポイントとなっている。この映画では、時の流れというのがなくなっているという世界も描かれている。時間の経過という概念がなくなっているのだ。


 
最後のルイーズとイアンの二人の会話は「イワン(言わん)」ほうがいいでしょう(笑)。ストレート過ぎる言葉なので♪


余談だが、宇宙船の形がせんべいの「ばかうけ」に似ている。
監督は参考にしたとかしないとか。

もう一度見てみたい映画だ。

☆☆☆

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